資金調達:別法人からの借り入れについて
新規創業にあたり資金調達が必要です。そこで私の父親が代表及び大株主である非公開会社(Aと呼びます)にある残預金から借り入れをしたいと考えています。
父親から借り入れの承諾はあるものの、どのようなスキームで借り入れをするのが良いのか法律上や税務上の問題点等含めわからない状況です。注意点がございましたらアドバイス頂けると幸いです。
Aの預金高は約1億円です。このうち2000万円ほど借り入れしたいです。ただ私はAの役員や従業員ではなく関係性はありません。
①そもそもAから私が直接個人で借り入れするというのはできるのでしょうか。その場の注意点などはございますでしょうか。例えば、Aは最低どれくらいの利息をとる必要があるのでしょうか。(Aは貸金業等ではありません。)
②Aから代表である父親が個人的に借り入れをして、父親から私が個人的に借り入れするスキームは問題はありませんでしょうか。その場合、Aは父親に対して最低どれくらいの利息を取る必要があるのでしょうか。
③そもそも法律上や税務上借り入れが好ましくない場合、Aが、新法人に出資するという流れであれば問題ないのでしょうか。その場合、後々、Aに対して発行した株式を強制的に買い戻ししたいのですがそのような種類株式の発行は可能でしょうか。
他にも方法はあるのかもしれませんが、結論としては、何かしらのスキームで、Aにある預金のうち2000万円を私個人、もしくは新法人に回し、新法人の資本金にしたいと考えています。良いスキームがないかご相談したく思い投稿させて頂きました。恐縮ですが、何卒よろしくお願いします。
税理士の回答
お父さんの会社と貴方の会社の間で、金銭消費貸借契約を締結し、融資を受けられたら良いと考えます。
利率、返済条件等が経済的合理性があれば、問題ないと考えます。
具体的なスキームは個別事情等に応じて具体的に策定する必要がありますので、ご記載の内容からの一般的な回答となりますことをご容赦ください。
①Aの定款等で制限がなければ借入は可能であると思います。注意点は金銭消費貸借約定書を締結し金利や返済条件を明確にすることです。金利は次の②に準じて設定されるのが良いと思います。
②①と同様、貸付と転貸しについてAの定款等に制限がなければ問題はないと思います。この場合も金銭消費貸借契約書により条件を明記すべきと考えます。なお、法人から役員等への貸し付け利率については所得税法基本通達で適正利率が規定されており、Aが銀行から借入をしている場合は平均調達利率等で、借入がない場合は今年中の貸し付けについては1.6%が適正利率となります。詳細は以下の国税庁HPをご参照ください。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2606.htm
③営利法人については、許認可や定款等で制限なければ貸付や出資が法律上問題になることはないと思います。税務上、貸付については上記②の適正利率でその他の条件を明記した約定書を整えれば問題ありません。
どなたが買い戻すのか不明ですが、会社が買い取る(自社株の取得)のであれば会社法で取得条項付株式というものが認められています。
結論として新法人の資本金にしたいとのことですが、一番簡潔なのはご相談者様が自分で出資した会社を作ったのち、第三者割当等でAから出資をしてもらうことだと思います。
借入であれば適正な利息も払わなければいけませんし、返済もしなければなりませんが、出資であれば会社が解散・清算しない限り返還の義務はありません。
冒頭にも記載しましたが、最適なスキームは個別具体的に策定する必要がありますしグループ法人税制の適用の問題も生じますので、お父様の会社の顧問税理士などの専門家にご相談されることをお勧めします。
ありがとうございます。とても参考になりました!!
本投稿は、2018年09月16日 18時11分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。