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消費税が免除になる?事業ごとに分社化するメリット・デメリット

著者: 安島 秀樹 代表税理士

消費税は、売上が1千万を超えた翌々年から納税義務が発生するため、起業してすぐは免除となります。そして、売上が1千万を超えなければ、納税義務はずっと免除になります。

それならば売上が1千万円以下の会社をたくさん作ればまったく消費税を支払わなくていいのでは?という知恵が浮かぶ方もいるのではないでしょうか。そこで、分社化するメリットとデメリットを消費税にスポットを当てて解説します。

目次

消費税とは

消費税は1989年に導入され、今では税収全体の20%くらいを占める重要な税です。税率は当初3%だったのがいまは8%で、来年秋には10%に上がる予定です。

日本の消費税は「多段階課税」といって、生産・流通過程の各事業者が売上のときに客から預かった消費税を、仕入れのときに支払った消費税を控除して税務署に納める方式がとられています。

消費者はお店で消費税を払うだけで、控除も還付もできませんから、最終的な消費税の負担者は消費者ということになります。

消費税の納税義務がある事業者

事業者は、課税期間の課税売上高(消費税のかかる売上)が1000万円を超えた翌々年度から、納税義務がある事業者(課税事業者)となります。

課税期間には「基準期間」と「特定期間」があり、個人と法人で以下のように異なります。

基準期間

個人事業者の場合はその年の前々年(1月1日〜12月31日)、法人の場合はその事業年度の前々事業年度

特定期間

個人事業者の場合は、その年の前年の1月1日から6月30日までの期間をいい、法人の場合は、原則として、その事業年度の前事業年度開始の日以後6か月の期間

そして、課税期間の2年度前の売上が1000万円以下の場合であれば、免税事業者(消費税の納税が免除されること)になります。ただし、免税事業者になるためには資本金が1000万円以下であることなど、他にも要件があるため詳しくは税理士に確認してください。

起業から2期目までは免税

基準期間は、個人は前々年、法人は前々事業年度です。新たに開業した個人事業者や新たに設立された会社は、その課税期間について基準期間がありません。

このため原則として2期目までは、消費税の納税義務が免除されるということになっています。個人事業者がいわゆる法人成りにより新規に会社を設立した場合でも、個人事業の売上は引き継がないため、同様に2期目までは免税になります。

分社化することで消費税は免除される?

消費税は、基準期間の課税売上高を元に課税、免税が決まります。

ですから、分社化することで課税売上高が1000万円以下になるなら、必ず消費税は免税になります。しかし、いくつか注意すべきこともあります。

分社化が、消費税を納めない目的のためだけになされるときは、税務調査で脱税と言われるかもしれません。分社化するときは、業種別にグループ会社を管理するためとか、親会社は管理、傘下の子会社は現業に特化するというような納得の得やすい分社化の理由を考えておくとよいと思います。

なかには、会社を2社作り同じ事業活動を2年ごとに会社を変えて営業することで、消費税の支払いを継続的に免除してもらおうと提案してきた方がいます。筆者は顧問契約をお断りしたのですが、免税目的だけで会社を設立するのは問題があるように感じました。

課税事業者を選んだほうが有利な場合

免税事業者は、届けをだせば課税事業者になることができます。なぜ、あえて課税事業者になるかというと、消費税の還付請求ができるときは、課税事業者を選んだほうが有利になるからです。

課税売上よりも課税仕入が多い場合は、消費税の還付を受けることができます。しかし、免税事業者の場合は還付請求をすることができません。そこで、あえて課税事業者を選択するのです。

特に輸出事業者の場合は、輸出免税の制度を使えますので、輸出にかかる消費税はゼロです。なので、仕入れにかかる消費税を全額還付してもらえることもあります。

またその他の事業でも、設備投資がかさむときには、設備購入にかかる支払い消費税が高額になって、売上にかかる預かり消費税を上回って消費税の還付請求ができることがあります。さらに、継続的な赤字企業も消費税の還付請求ができることが多いので、課税事業者を選択したほうが有利になることがあります。

免税事業者を積極的に選びたい場合

免税事業者ならば、納税負担がなくなるだけでなく、本来国などに納めるべき税金が会社の利益として蓄積できるのですから、事業者からみたら言うことなしです。世にいう益税です。

そのため、消費税を納めなくてはいけない状況があるときに、消費税のことだけを考えて分社化する分にはデメリットはありません。

しかし経理が煩雑になるとか、均等割の7万円が発生するとか、分社化のデメリットは数多くあります。デメリットを上回るメリットを感じるなら、分社化を選択しても良いかもしれません。

おわりに

消費税の免税を目的としたときには、分社化は意味があります。しかし気を付けなくてはいけないことも多々あることがお分かりいただけたかと思います。

税金の表も裏も知り尽くした税理士を探して相談することが成功への近道です。みなさんがうまい着地点を見つけられるよう願っています。

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