個人事業主の節税について
個人事業主(農業)が確定申告時に節税の一つとして広告費を申告する場合で、とあるスポーツの後援会に寄付する行為(寄付金)を広告費として計上してよいのでしょうか?後援会側は寄付金からバナーを作製し、ユニフォームに貼り付けます。また広告費として申告する際、どのくらいの節税になるでしょうか?
税理士の回答

出澤信男
広告費が個人事業(農業)の収入を上げるために必要なものであれば計上できます。そうでなければ計上はできません。

丸尾和之
当該支出が、事業のPRとして広告宣伝の効果があるならば、対価性があり、経費として認められるかと存じます。
節税効果としては、支出✕税率となりますので、相談者様の課税所得によります。
スポーツ後援会への寄付であっても、事業との関連性が明確かつ広告効果が見込める場合には「広告宣伝費」として損金算入が可能とされるケースがあります。
今回のように、後援会側がバナーを作製し、ユニフォームに貼付するなど、実際に事業者名や屋号が公表・掲示される場合は、寄付行為ではなく広告行為と評価される余地があります。
広告費として計上すれば、支出額全額がその年の必要経費となり、課税所得を直接圧縮する効果があります。たとえば所得税・住民税を合わせて20%の税率であれば、10万円の広告費で約2万円の節税効果となります。
ただし、形式的な表示のみや私的関係による支出とみなされると否認される可能性もあるため、契約書や掲載証明等の資料保管が肝要です。
【結論】
スポーツ後援会への支出であっても、ユニフォームへのバナー掲示などによって不特定多数に広告効果が認められる場合は、広告宣伝費として経費計上できる可能性があります。
一方で、宣伝効果が不明確で「寄付」の性格が強い場合は、交際費や寄付金扱いとなるリスクもあります。
【詳細】
(1)広告費として認められる条件
・ユニフォームやバナーに事業名や屋号が掲示され、不特定多数の観客やメディアに露出すること。
・農業事業の販売促進や知名度向上につながること。
・単なる支援や寄付ではなく、広告の対価性があると説明できること。
(2)交際費や寄付金となるケース
・特定の後援会や関係者との付き合いが目的と見なされる場合。
・広告効果が限定的で、不特定多数にアピールできていない場合。
(3)節税効果について
・広告宣伝費として経費計上できれば、その金額分だけ課税所得が減少。
・節税額=広告費 × 所得税率(+住民税率)で試算可能。
(例)課税所得が330万円以下 → 所得税率10%+住民税10%として約20%の節税効果。
100,000円を広告費にできれば、約20,000円の税額軽減イメージとなります。
【まとめ】
(1)広告効果が客観的に認められれば広告費にできる
(2)効果が曖昧なら交際費や寄付金扱いのリスクあり
(3)経費計上できれば税率分の節税効果が期待できる
本投稿は、2025年08月03日 22時36分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。