マイクロ法人スキームについて
現在、法人でキッチンカーによるたこ焼き専門店を運営しています。
近々、新たにキッチンカーで焼き鳥専門店を開始する予定ですが、この焼き鳥店の売上は個人事業として計上したいと考えています。
質問①
いずれもキッチンカーでの飲食物販売となるため、否認される可能性が高いでしょうか。
質問②
焼き鳥店はキッチンカーではなく、屋台販売とした場合はどうでしょうか。
ご教示いただけますと幸いです。
税理士の回答
良波嘉男
ご質問ありがとうございます。
キッチンカー事業を「法人」と「個人」に分けることは可能ではあるものの、税務署が否認しやすいパターンであることは事前に理解しておく必要があります。
質問①
【法人:たこ焼きキッチンカー】
【個人:焼き鳥キッチンカー】
同じキッチンカー事業で分離したら否認されるか?
結論
否認リスクは非常に高いです。
理由は以下の通りです。
1. 事業の同一性が強すぎる
キッチンカー
飲食物販売
仕入れ先も類似
客層も類似
営業場所も類似
提供形態も同一
税務署は、「実質1つの事業を税金対策のために分けているだけ」
と判断します。
したがって、高い確率で「同一事業」とみなされ、統合課税される可能性が高いです。
質問②
焼き鳥店を“屋台販売”にした場合はどうか?
結論
キッチンカーよりは多少リスクは下がるが、 依然として否認リスクは高い です。
理由
移動販売という根本は同じ
業種(飲食物販売)が同じ
「たこ焼き屋台」と「焼き鳥屋台」は別事業と主張しづらい
個人と法人で明確に役割分担を証明する必要がある
屋台に変更するだけでは
税務署に“別事業”と認識させるには材料不足 です。
税務署が「別事業」と認めるための最低条件(重要)
以下のすべてを満たして初めて“分離の主張”に土台ができます。
仕入れ先・仕入れ経路が完全に別
事業主が提供するサービス内容が異質
営業場所・出店ルートが明確に区別されている
各事業の資金口座が完全に分離
各事業の車両・設備が共有されていない
営業許可・食品衛生責任者も別
集客導線、SNS、屋号、広告も完全に別運用
このレベルで「実質的に別事業」と説明できない限り、
税務署は“節税目的の分割”と判断します。
本投稿は、2025年11月21日 15時00分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







