所有財産の譲渡に関する税計算の解釈について
よろしくお願いします。10年超居住した親の家を売却する方向で話が進んでおりますが少し複雑な売買なのでご教授頂きたくお願い致します。
売却は2筆で取得時期が異なり、1筆が土地+建物(仮にA)、もう1筆が土地(仮にB)になります。この2筆については隣接しており所有財産の譲渡に関する特例(3,000万円控除)に当てはまるためそのようにしようと思っております。その後、調査の結果、公道に出るU字溝(仮にC)が昔からの地主の名義になっており(通行権は契約して使っていたようです)、今回の売却を機に買取を要請されております。
Cを買い取り、3筆で5,000万円という1契約で売却したとします。
この場合、税額計算は
5000-(Aの取得費+Bの取得費+Cの取得費)-3000
としたいのですがCは現時点で地主の所有のため-3000ができないと思います。
そのため面積按分で
5000×(Aの面積+Bの面積)/全面積-(Aの取得費+Bの取得費)-3000=課税金額・・・ア
5000×(Cの面積)/全面積-(Cの取得費)=課税金額・・・イ
ア×14.21%(10年の長期保有の特例税率)
イ×30%(通常税率)
となるのでしょうか? Cについては取得も同時に発生するためC単独で見ると売却損が発声します。
少なくともCの売却金額は単独で契約書に明記すべきでしょうか?(売却先がU字溝を直接購入できない前提です)
この他にもアパート収入などがあるため確定申告は行うため、売却と合算して所得税や住民税を一番節税できる方法が希望ですが、課税額の計算方法とそれに見合った契約方法についてアドバイス頂きたく宜しくお願い致します。
税理士の回答
土地建物等を譲渡した際の譲渡所得の計算は、短期譲渡と長期譲渡にそれぞれ区分して計算する必要があります。
ご相談の文面からは、AとBは10年超の所有、Cは取得後すぐに売却予定と読み取れましたので、それを前提で考えますと、AB部分に関しては長期譲渡、C部分に関しては短期譲渡になると考えます。
C部分に関しては、取得と同時に売却とのことですので、Cの譲渡価額はCの取得価額と同額と考えて宜しいと思います。
従って、短期譲渡の区分に関しては、収入金額と取得費が同額となり、短期譲渡所得の金額はゼロとなります。(仮にCを取得するために諸費用が生じる場合にはその分が譲渡損失になることも考えられます。)
次に、長期譲渡分であるAB部分の譲渡価額の算定になりますが、5000万円からC部分の譲渡価額(=Cの取得価額)を差し引いた額が、AB部分の譲渡価額と考えることになります。
そして、長期譲渡分の取得費はAB部分の取得費相当額となります。さらに譲渡費用と居住用財産の特別控除(3000万円)を差し引いて長期譲渡所得金額が算定されます。
(譲渡費用は、ABC全体に及ぶものに関してはそれぞれの譲渡価額の比で按分する必要がありますのでご注意ください。)
このようなケースにおいて、AB部分とC部分を分けて売買契約書を作れればよいですが、通常は一体での契約書になるものと思われます。
ABC全体が一の契約であっても、譲渡所得の計算上はまずは短期と長期の区分をし、それぞれの収入金額を特定し、短期譲渡分と長期譲渡分とで譲渡損益の計算をすることになります。その際の算定方法としては上記の考え方が実務上とられる方法ではないかと考えます。
ご参考になれば幸いです。
ご回答ありがとうございます。
大変分かりやすくて助かりました。
どうも契約書にはABCの金額内訳を記入したほうが良さそうですね。
もうひとつだけ確認ですが、Cが取得費の関係で譲渡損失となった場合はABの譲渡益からどのように控除すれぱよいのでしょうか?
お忙しいところ恐れ入りますが宜しくお願い致します。
本投稿は、2015年10月28日 18時07分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。