役員退職金の引き当てについて
役員退職金の引き当てが認められる要件として、
①役員退職慰労金の支給に関する内規に基づき支給見込額が合理的に算出されること
②当該内規に基づく支給実績があり、このような状況が将来にわたって存続すること(設立間もない会社等のように支給実績がない場合においては、内規に基づいた支給額を支払うことが合理的に予測される場合を含む。)
「租税特別措置法上の準備金及び特別法上の引当金又は準備金並びに役員退職慰労引当金等に関する監査上の取扱い(監査・保証実務委員会実務指針第42号)」3.(1)
とありますが、
新しく設立した法人
株主 兼 代表取締役 兼 社員 = 1名のみ
設立当初(初年度~数年位の間)は無給で働く(利益が出ても翌年以降に備えて無給で働く)
(毎年利益の範囲内で一定額を引き当てる(利益不足の場合はその年は減額)?)
このような場合でも、初年度から役員の退職引当金を、将来見込まれるものとして損金計上できるのでしょうか。
それとも、税務署に否認される確率が高いでしょうか。
税に関しては全くの素人です。
変な質問ですみません。
税理士の回答

法人税法上、役員退職慰労引当金は有税引当(損金不算入)となり、役員退職金が損金に計上される時期は、原則、株主総会の決議等によって退職金の額が具体的に確定した日の属する事業年度となります。
以下国税庁サイトをご確認頂ければと思います。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5208.htm
藤田章 先生
早速ご回答ありがとうございます。
国税庁サイトを確認しました。
財務会計処理と税務処理で扱いが違うと言うことなのでしょうか。
確か、以前勤めていた会社で、予想外に利益が出た年に、役員退職金の引き当てを大幅に積み増した記憶があるのですが、それは財務会計上の話で、税務上は損金算入されてなく、その年に引き当て分の法人税も支払っているということなのでしょうか。
そうだとすれば、役員が退職した年の見た目上の損益(大幅な赤字にならなくて済む)くらいしかメリットが無いように思うのですが・・・。

はい、財務会計上は将来の役員退職金給付に備えて引当金を計上することが健全な処理になりますが、税務上は損金に計上できず、法人税は減額できません。なお、税効果会計を採用しているようであれば、会計上、繰延資産を計上し、会計上の法人税等を減額するなどの処理を行うことは可能です(細かい議論は省略します)。
現在、中小企業で、法人税上、損金が認められる引当金は、貸倒引当金に限定されています。
丁寧に説明して下さり、ありがとうございました。
良く理解できました。
本投稿は、2019年10月23日 09時22分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。