個人事業主の場合、夫婦で所得を分散するべきか?
青色申告でデザイナーの仕事をしていますが、
今後結婚を考えていて、今後の税務処理で質問があります。
妻もデザインの学校を出ており、
実際にイラストやリサーチなど仕事を手伝ってもらう事もあります。
今後は専業主婦として家の事や、イラスト、アシスタント業務的な実務も
お願いしようと思っています。
現在1000万強の事業所得と年間 500万以上の FX 利益があり、
法人化か青色専従者にして月々給料を支払うと、トータルで節税になるとよく言いますが、
扶養内で行うべきか、2人別の所得として分散するべきかどちらが良いのでしょうか?
103万円以下に抑えるメリットと所得を分散するメリットを教えていただけますか?
また、FX は初期設定のみのシステムトレードを行っているので、
事業収入もある自分名義で行うべきか、
資金を妻の口座に移行して妻名義の口座で運用を行うか、
自分と妻のトータルの税金で得をするのはどちらなのでしょうか?
(住民税や国民健康保険料などが収入金額によって変化するので)
シミュレーションなど具体的な数字が無いと判断しずらい内容でしょうが、
一般論で構いませんので、ご教授いただけると幸いです。
宜しくお願い致します。
税理士の回答
一般論で回答致しますのでご了承ください。
所得税の計算は累進税率を採用してますので、事業所得で1,000万円を超えますと、所得税の高い部分の税率は33%になることが予想されますり。従って、今後もこの所得が継続するようであれば、所得を分散することを検討する価値はあると思います。
今後、配偶者控除の見直しも予定されていますので、青色専従者給与で奥様に適正な給与を支給し上手に所得分散を図った方が良いと思います。なお、青色事業専従者になりますと、給与の金額を103万円以下に抑えても配偶者控除は適用できませんので、無理に103万円以下にする必要はありません
FXに関しても利益が出ることを前提に考えれば分散することが望ましいと思いますが、こちらは資金移動に関して贈与とみなされないように行うことが注意点です。
以上、ご参考になれば幸いです。
東京都中央区の小林税理士事務所 小林拓未と申します。
事業所得が1000万円ですと、法人化を考える頃合いになります。法人化した場合のメリットは、大きいと思われます。
①ご自分に対する給与が、法人の経費になります。給与をもらうご自身は、収入になりますが、給与所得控除(給与をもらう方のための経費のようなもの)が使えますので、かなり有利になります。
②消費税が1-2年間課税されなくなること
③奥様に月8万円程度の給与を出しても、ご質問者様の配偶者控除が使えること
④社会保険加入により、奥様が第3号被保険者となり、国民年金を支払わずとも、国民年金保険料を支払ったとみなされること
⑤社会保険加入により、ご質問者様が、怪我や病気で休業した場合、傷病手当金(休業補償)が受けられること
などが考えられます。
業績が、これからも変わらないとか、伸びていくだろう、とお考えであれば、ぜひ検討してみて下さい。
なお、fx部分は、税率が一定ですので、法人化する必要はないと思われます。
今後、業績が悪くなっていくと予想されているか、様子見をしたいか、法人化することによる手間がわずらわしいということであれば、個人事業を続行して、奥様を青色専従者にするという選択もございます。
以上、よろしくお願い致します。
本投稿は、2016年09月17日 19時15分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。