会社設立日と決算期(事業年度)の決める7つポイントと変更方法 - 節税や実務に役立つ専門家が監修するハウツー - 税理士ドットコム

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会社設立日と決算期(事業年度)の決める7つポイントと変更方法

会社の設立日や決算期は、誕生日や記念日にするなど自由に決めることができますが、節税や資金繰りの面を考慮して決める方法もあります。決算期をいつにするかによって税金を納める時期や税額に影響が及ぶため、適切な決算期を設定することで金銭的な負担を軽減することができます。

この記事では、会社の設立日や決算期を決めるポイントと、決算期の変更方法について解説いたします。

目次

「事業年度」とは

まず事業年度とは、会社の経営成績や財務状態を明らかにする目的で区切られた一定の期間(12か月以内)のことです。そして、事業年度の最終日のことを「決算日」といいます。たとえば3月決算であれば、基本的にその会社の事業年度は4月1日~3月31日ということになります。

設立日は決算期から逆算して考える

会社の設立日とは、法務局に登記申請をした日のことです。

正確には法務局が登記申請書類を受理した日となるため、郵送で登記申請をした場合は書類が法務局に到着した日になります。法務局の開庁時間は平日のみなので、土日祝日と年末年始を設立日にすることはできません。

また窓口で申請しても、書類に不備があった場合は設立日がずれてしまうこともあるので、希望の設立日がある場合は注意しましょう。

設立日は、決算期から逆算して1年を超えないように且つ、なるべく決算期の1年前となるように定めるのが一般的です。たとえば、12月を決算期とする場合は1月を設立月にして、1月の好きな日程を設立日とします。

後述する税金面や資金繰りの面を気にしないのであれば、自分の誕生日や縁起の良い日など、好きな日にちで設立するのも良いでしょう。

決算期を決める重要な7つのポイント

決算日(期)は必ずしも決算月の末日でなくても良く、設立日から1年を超えなければ自由に決めることができます。

だからといって適当に決めてしまうのはおすすめできません。決算期をいつにするかは、税金や資金繰りの面で非常に重要です。

以下のような7つのポイントを抑えて、適切な決算期を設定しましょう。

繁忙期を避ける

まず、基本的な考え方として繁忙期を避けるという決め方があります。

決算では、棚卸業務やその1年でどれだけの収益や費用があったかを計算する作業が発生します。さらに、税務申告は事業年度終了の時から原則として2か月以内に申告を行わないといけないため、決算終了後2か月は忙しくなります。

繁忙期は業務量が多くなるため、決算や税務の作業も同時にしなくてはいけなくなると非常に大変です。このようなことから、繁忙期を避けて業務が落ち着く時期を決算期にすることをおすすめします。

業種ごとに繁忙期は異なりますから、自分の会社の繁忙期の時期を見極めて決算期を設定しましょう。

決算申告が間に合わなかったときのペナルティ

正当な理由なく期限までに決算申告が間に合わなかった場合は、青色申告が無効になり、附帯税が課されることがあります。余裕を持って準備をしておき、申告期限までにきちんと申告することを心がけましょう。

節税の観点

節税の観点で考えると、売上が一番多い月を決算期にするのはおすすめできません

たとえば、1月〜2月が繁忙期の法人があるとします。決算期を2月にすると、利益がでてから決算までの期間が短いため、充分な節税対策を行うことが難しくなってしまいます。つまり、売上が多い月を避ければ時間をかけて節税対策が行えるということです。

具体的な決算前の節税対策としては、以下の方法が挙げられます。なお、詳しい方法は税理士に確認してください。

社員旅行

社員旅行は、条件を満たせば福利厚生費とすることができます。

消耗品の購入

中小企業等である青色申告法人で、30万円未満の消耗品等なら一括損金計上できます(上限があります)。

決算賞与の支給

以下の要件を満たせば賞与の分を給与手当として計上できます。

  1. 賞与が支給されるすべての従業員に対して各従業員に賞与支給額を通知していること
  2. 通知した賞与額を決算日の翌月末までに支払っていること
  3. 通知をした日の属する事業年度において損金経理していること

ただし、役員に対しては「事前確定届出給与」としての届け出がないと損金不算入となるので注意してください。

期末在庫の調整

売上原価は「期首在庫 + 当期仕入高 - 期末在庫」の式で計算されますので、期末在庫が少なくなれば売上原価は多くなります。

しかし、期末ギリギリに発注して期末在庫が増えると売上原価が少なくなり、売上総利益が高くなります。そうなると税額も上がってしまうため、期末の発注には注意が必要です。

反対に、売上が上がる繁忙期にあえて決算を行うことで業績を良くみせるという方法もあります。銀行から融資を受ける際に効果的といわれることもありますが、一概にはいえないので慎重に検討してください。

節税対策や融資に関してアドバイスを受けたい場合は、専門家である税理士に相談するとよいでしょう。

資金繰りを意識する

法人税等の納付は、原則として決算終了の時から2か月以内にしなくてはいけません。

赤字の場合はそこまで考慮しなくても良いかもしれませんが、黒字法人の場合は、法人税等は大きな支出になります。さらに、車両を多く所有する会社であれば5月に自動車税が、不動産を多く所有する会社であれば5月以降に固定資産税の納税が生じます。

一気にキャッシュアウトするのを防ぐためにも、資金流出の多い月の2か月前に決算期を設定するのは避けた方が良いでしょう。

さきほど挙げた以外にも、ボーナスの時期(一般的には7月と12月)や、源泉徴収税の特例の納付月(7月と1月)は、資金の流出が多い月といえます。他税目や会社のキャッシュフローの状態をよく考慮したうえで決算月を決めることは大切なことです。

消費税の免税期間で決める

消費税は、原則として前々事業年度の課税売上高を基準として、納税義務が生じるかどうかの判断がされます。

新規で設立した場合は、前々事業年度がないため設立後2期目までは納税義務が免除されることになります。ただし、資本金または出資の金額が1,000万円以上の法人や、特定新規設立法人の場合はこの限りではありません。

このときのポイントは、免税期間が「2年間」ではなく「2期間」という点です。この免税期間を最大限に確保するためには、事業年度の期間を12か月に設定することをおすすめします。

たとえば、4月設立で10月決算にしてしまうと1年7か月しか免税事業者になれません。そのため、4月設立の場合は3月決算にした方が節税できるということになります。

消費税の事業者免税点制度は個人事業主の場合も適用されます。そのため、法人成りであれば個人事業で2期、法人で2期の最大4期分が免税されることになります。

役員報酬を決めやすいように設定する

役員報酬とは、取締役や監査役などの役員に対して支払う給与のことです。毎月同額支給で、変更は事業年度開始から3か月以内にしか行えないという税務上の条件を満たせば、損金算入が可能になります。

一度決めた役員報酬は、原則としてその事業年度途中には変更することができないため、設定金額次第では納税額が大きく変わってくることになります。

最適な役員報酬を設定するためには、その事業年度の売上や利益などをできる限り正確に見積もることが重要です。このことから、売上や利益を左右する大きな取引や時期が事業年度の最初の3か月になるようにするなど、事業年度を通じて資金繰りの予測を立てやすい時期に決算期を決めておくと良いといえます。

取引先に合わせる

国や地方公共団体等の公的機関の決算期は3月です。

公的機関が予算を消化する3月は企業への発注が増えるため、その成果をすぐに決算に反映でき、予算編成も組みやすいというメリットがあります。

公的機関を取引先としているのは大企業が主なため、結果としてその大企業と取引がある多くの中小企業も、予算編成がしやすいように決算期を合わせている会社が多いようです。

また、過去には株主総会の総会屋対策として、大企業が決算期を3月に合わせていたということがありました。総会屋とは、株式を所有して株主総会に出席し金品目当てに嫌がらせや妨害をする集団などのことです。決算期を合わせて、株主総会が同時期に開催されるようにすることで、総会屋が出席しにくくしていた慣習があり、3月決算法人が多いのはその名残りともいわれています。

IFRSの観点

ここ数年で3月決算から12月決算に移行する企業が増えています。

これはIFRS(国際財務報告基準)による企業のグローバル化によるものです。IFRSでは、「連結財務諸表の作成に用いる親会社及びその子会社の財務諸表は、同じ日現在で作成しなければならない。」と規定されています。

これにより、従前親会社と決算期がずれている会社は「子会社の決算期は変更せず親会社の決算時期に仮決算をする」または「子会社の決算期を変更」しなくてはいけません。親会社にあわせて決算期を変更する動きは大手企業の間でも見受けられます。

決算期は変更できる?

決算期を決めるのは一般的に創業時のため、一度決めたらもう変更できないと思われがちですが、いつでも変更することが可能です。(※12か月を超える事業年度にすることはできません。)

決算期の変更方法

決算期の変更は、株主総会での決議のもと定款の変更を経て、異動届出書の提出を行うことにより完了します。

(1)株主総会の開催

決算期変更にまず必要なのは「株主総会の決議」です。すぐに変更したい場合は臨時株主総会を開催しましょう。

定款に決算期が記載されている場合は、定款の変更が必要になります。この場合は株主総会の「特別決議を要する事項」に該当しますので、株主の議決権のうち過半数を定足数とし、出席した株主の3分の2以上の賛成を得る必要があります。

決議後は、株主総会議事録を作成して社内に保管しておきましょう。

(2)定款の変更

定款の変更は株主総会後すぐに行いましょう。会社設立時と異なり、公証役場における定款の認証は不要です。

また、決算期(事業年度)は登記事項ではありませんので、登記の変更も不要です。

(3)異動届出書の提出

定款の認証や登記変更は不要ですが、管轄の税務署・都道府県税事務所に決算期が変わったことをお知らせする「異動届出書」の提出が必要になります。

事業年度終了後2か月以内に法人税等の申告・納付を行うため、「決算期を変更しましたよ」というお知らせを税務署にするのです。

決算期変更のメリット・デメリット

決算期の変更には、以下のようなメリットとデメリットがあります。

売上が大きくあがったときは「節税対策」になる

売り上げが上がるのは喜ばしいことである一方で、大きな利益が出たまま決算を迎えてしまっては法人税等の納付額が増えてしまうという悩みもあります。

納付できるだけの余裕資金があれば良いですが、あまりキャッシュのない状態で決算を迎えてしまっては大変です。そこで、決算期を変更して当期の納付税額を減らすという方法が考えられます。

また、先述した資金繰りや繁忙期を避けることで得られるメリットもあります。

各種制度の適用期間が短縮される

決算期を変更するということは、事業年度が1年未満になります。このときに注意が必要なのが、各種制度の適用期間についてです。

たとえば、交際費の損金算入限度額は800万円(期末の資本金の額が1億円以下の法人)ですが、3月決算法人が9月決算に変更した場合、事業年度は4月1日から9月30日までの6か月となり交際費の損金算入限度額は400万円までです。

これだけでなく、消費税の免税事業者の判定の基礎となる基準期間が短くなり、課税売上高を12か月換算にする必要があります。

このように、事業年度が1年未満になると適用期間について月割計算して求める必要などがあるということを覚えておきましょう。

また、企業経営をしていくにあたっては、前期と比べてこの1年でどの程度売り上げをあげることができたか等の比較をすることはとても重要です。

決算期を変更すると、正確な前期比較等の分析がしにくくなってしまうというデメリットもあります。

おわりに

決算期の決定や変更は、法人税などの納税額に大きく関わるということがお分かりいただけたかと思います。

税制優遇制度や決算申告については、専門性が問われる内容ですので、決算期を決める際や変更する際は税理士に相談するとよいでしょう。

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