画家としての活動を会社にすることについて
妻がプロの画家として活動を行っています。
基本的な活動としては公募展、企画展への出品で、絵画が販売できた時の
収入のみになります。年間の売り上げはかなり波がありますが、平均すると
約30万円くらいかなと思います。
一方で画材や出品料、運送料などの費用が結構かさんでいます。実質赤字が
多いので家計からの持ち出しになることも多いです。
そこで家計への負担を軽減するため、以下の方法を考えましたが、
無理があるかどうかをアドバイスいただけると幸いです。
不動産所得があるプライベートカンパニーがあり、事業内容に絵画に
関する事業も記載しています。(絵画販売、企画展開催などなど)
絵画の売り上げの一部をこの会社に入れる(厳密にいうと会社が事業と
して絵画を販売し、売り上げの80%とかを作家に渡すという流れ)
ことで、絵画制作・企画展や公募展出展に係る経費を会社の経費として
計上するという考えです。
絵画が売れたときの領収書は画家名で出さず、会社名で出します。
年間で絵画事業が赤字か黒字かを個人で考えず、会社として不動産事業も
含めて考えられるので助かるなと思いました。
本来は個人事業主として、絵画の販売収入100%に対して年間の経費を
計算し、青色申告するのがいいのかとは思いますが、アドバイス頂けると
幸いです。よろしくお願いいたします。
税理士の回答
こんにちは。
すでに会社を設立しているなら会社で絵画を売り上げてもいいかと思います。
不動産事業で黒字なのであればダイレクトに節税効果が期待できると思います。一方、現在すでに会社が赤字決算なのであれば繰越欠損金の増加となるだけなので、ダイレクトな節税にはならないかと思います(もっとも、将来の黒字との相殺という効果はあります)。
個人事業主としてであれば、例えば給与所得がある場合は事業所得との通算はできます。また、青色申告者ですと純損失の繰越控除が使えるのでこの場合も将来の黒字との相殺ができます。
結論として、現在会社が黒字であれば絵画の販売を会社の事業としてする方が節税効果はあるといえます。赤字の場合は基本的に大差ないかと思いますが、記帳の一本化など事務処理負担が軽減されるかと思いますので、総合的には会社の事業とされるのがよいかと思います。
以上、ご参考になれば幸いです。

絵画についての、作家の取分はどの程度が妥当なのでしょうか。
世間相場が、ご質問の8割程度であれば問題はないと思いますが、安直に考えると行為計算否認のリスクがあります。

画家の売上が年30万程度、経費を考慮すると、芸術的な価値、意義は度外視し、税務上の一般的な見解としてはそれは趣味なのでしょうね。
所得も赤なので申告する必要もありませんし。
勿論、事業としての意義を有せず、将来的にも、数年後、利益が計上できるか否かは、結果として検証できてしまいます。
会社に含めても、事業ではない、あくまで趣味として否認されるリスクはぬぐえないのかと存じます。

個人の損失を、法人に付替えと判断される可能性があるので、実態により判断し、留意すべきと思います。

事業目的に絵画の製作・販売が記載され、実際に売り上げも上がっているなど
形式が整っている場合であっても実質的に家族の趣味などととられると経費否認される
可能性もございます(会社として経済的合理性のない行為や計算である場合)。
ですので、いかに黒字化を目標としてやっているかを調査官に説明できるようにしたいものです。
よろしくお願い致します。
本投稿は、2018年05月18日 12時41分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。