海外在住で、フリーランスとして日本のクライアントと取引している場合の確定申告について
現在、カナダに留学しながらフリーランスでweb系デザイナーとして日本のクライアントとお仕事をしています。業務委託契約での仕事と、雇用契約での仕事の両方を持っており、この場合の確定申告の必要有無について質問です!
(状況)
・1月末に会社を退職し、翌月カナダへ渡航
・カナダには1年以上滞在予定
・出国前に海外転出届を提出済み
・開業届提出済み・青色申告承認申請書提出済み
・納税管理人の届出提出済み
(所得の状況)
・1月分は会社員としての給与所得が発生
・退職後はフリーランスで、日本の企業との業務委託契約・雇用契約で所得が発生
・業務委託契約の仕事の報酬からは源泉徴収を受けている
・雇用契約(アルバイト)の仕事の給与からは源泉徴収されないため、年末調整なし(←会社より、「国外源泉所得とみなされる為」と言われています)
(質問)
①会社員時代の給料と、カナダに渡航してからのフリーランスによる事業所得・給与について、確定申告は必要でしょうか?申告する場合、何か留意する点はありますか?
海外に在住している場合でも、日本国内の会社との取引で所得が発生している場合は国内源泉所得となるという認識だったので、会社から「国外源泉所得になる」と伝えられ、混乱しています。
②E-taxでの申告について、海外転出届を提出している場合、2025年の確定申告ではe-taxでの申請は不可でしょうか?
税理士の回答

最初に確認すべきことがあります。
「カナダには1年以上滞在予定」と説明されていますが、例えば「留学」が短期(一年未満)としての留学か、1年を超えての留学だったのでしょうか。
短期留学の場合は、出国時にはまだ「1年以上国外に居住する」ことにはならないため、出国後1年を経過するまでは貴方は日本の居住者になります。
1年以上の留学(卒業などが2年後などのように決まっている)の場合は、貴方は出国の翌日から非居住者になります。
貴方が非居住者の場合
① 給与所得は国内勤務がない限り日本での課税がありません。
(国外勤務で国内源泉所得になるのは、役員報酬などだけです)
フリーランスの収入、お仕事の内容が「著作権の使用料」などに該当する場合は、日本で課税対象になりますが源泉分離課税になります。
それ以外の事業所得は、日本での課税権はありません。
貴方が仮に確定申告をする場合は、出国前の所得(会社員時代の給与)のみ行うことになります。
※1カ月間の給与収入のため、源泉所得税額は還付になる可能性があります。
② e-Taxの申告時には「マイナンバーカード」が必要になるため、海外転出届出書を提出していますので、当該マイナンバーカードやマイナンバーは失効していますので、e-Taxでの申告はできないと考えます。
なお、出国の翌日から非居住者になる方は「納税管理人の届出書」を提出しない場合、本来出国の前日までに確定申告をしないといけませんでした。
そこで、おそらく「還付申告」になると思いますので、帰国後に確定申告をされてはいかがでしょうか。
貴方が居住者に該当する場合
① 会社に対して、居住者である旨を伝えて前職の源泉徴収票を提出し、給与の源泉徴収と年末調整をお願いしてください。
また確定申告は、事業所得と併せて申告をすることになります。
② 海外転出届出を提出している場合は、先に説明した通りe-Taxでの申告はできないため、郵送により申告書を提出するか、一旦家族に送付して税務署に提出してもらうか、税理士に税務代理を依頼して申告することになると考えられます。
国税庁HPから参考箇所を添付します。
国内源泉所得について、「源泉徴収のあらまし」を添付します。
7枚目の表をご覧ください。そのうえで説明文をお読みください
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/aramashi2024/pdf/12.pdf
居住者・非居住者の判断に関して「住所の推定」を添付します
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2875-1.htm
本投稿は、2024年12月21日 12時30分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。