家事按分する経費
個人事業者で株取引をしています。
利益は少ししか出ていません。
マンションの約17平米の1Kの部屋を住居兼用で使用しています。
家賃の約半分を経費として申告したいのですが認められるでしょうか?
認められないと推測した場合どれくらいで申告したら認められやすくなるでしょうか?
また認められやすい条件がありましたらご指導ください。
よろしくお願いします。
税理士の回答

相談者様 税理士の天尾です。
第三者がみて合理的と思う数字
としか答えれないですね。
例えば6万の家賃でトレーダーして
PCと机 稼働時間が8時間であれば
PCと机が仮に1㎡なら
8時間/24時間×1㎡/17㎡×6万=1176円
という誰もがみて合理的と思う根拠が必要です。

ご質問のような家事上と業務上の両方にかかわりがある費用(家事関連費)については、「取引の記録などに基づいて、業務遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる場合のその区分できる金額」のみが必要経費にすることができます。
つまり、株取引を行う専用の部屋が存在し明確に区分されていることが前提となります。
自宅のリビングやダイニングで事業を行っていたとして、家賃や光熱費の何割かを経費に入れて申告したところ、税務調査ですべて否認され、裁判でも納税者が負けた事例(平成25年10月17日東京地裁)もありますのでご留意ください。

中島吉央
家事按分のことを考える前に、最初の一歩として、質問者さんの株取引が本当に事業に該当しているのかどうかの確認が先です。話はそれからであり、結構、ハードルが高いのが実情です。大阪高裁昭和50年3月26日判決(昭和49年(行コ)8号)では、以下のように判示(要旨)しています。
「株式等の取引行為が、所得税法上の事業に該当するか否かは、結局、一般社会通念に照らしてきめるほかないと思われるが、その判断に際しては、営利性・有償性の有無、継続性・反覆性の有無のほかに事業としての社会的客観性の有無が問われなければならず、この観点からは、当然にその取引の種類、取引における自己の役割、取引のための人的・物的設備の有無、資金の調達方法、取引に費した精神的、肉体的労力の程度、その者の職業・社会的地位などの諸点が、検討されなければならない。そして、事業としての社会的客観性が認められうるというためには、相当程度安定した収益を得られる可能性がなければならないと解される。」
本投稿は、2019年08月21日 12時06分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。