事業所得の赤字と分離課税譲渡所得の扱いについて
個人事業主で白色申告をしております。
この度税務署より「確定申告の見直し・確認」ということで封書が届きました。
内容は、
・事業所得の赤字を、分離課税の譲渡所得から差し引くことはできない。
とありました。
今回、確定申告の書類と一緒にもらった「譲渡所得の申告のしかた」というパンフを見て申告書を書いたのですが、
総合課税の合計額-所得から差し引かれる金額=A(課税される所得金額)
となっており、
A が赤字の場合「ひききれなかった A の金額については原則として、所得金額から順次差し引いてください」とありました。
私の場合事業所得が赤字なので、その金額と所得から差し引かれる金額を合算して、分離課税の譲渡所得から差し引きました。
※この度の分離課税の譲渡所得は、父が居住していた戸建て住宅を売却してマンションを購入。売却した戸建て住宅の一部が私名義になっており、その際に出た売却益が譲渡所得になっています。
税務署からは、この売却益から事業所得の赤字は差し引くことができないと言ってきています。パンフレット内容と食い違っているように思うのですが、私の理解が足りないのか、どうも腑に落ちません。
面倒をかけて恐縮ですが、どういう事なのかご教授いただけると助かります。
宜しくお願いいたします。
税理士の回答

私の分かる範囲で記載させて頂きます
参考になれば幸いです
ご質問についてですが
パンフの記載内容について認識の違いが有りますので、それについて記載いたします。
Q
総合課税の合計額B-所得から差し引かれる金額C=A(課税される所得金額)
となっており、
A が赤字の場合「ひききれなかった A の金額については原則として、所得金額から順次差し引いてください」とありました。
ひききれなかったAとは
このパンフは、総合課税の合計額Bが赤字場合の記載ではありません
(言葉上は赤字でも解釈は同じにはなるとは思いますが)
例えば
B 100 - C 150 = ひききれなかったA 50
の様に、Cの金額のうちでひききれなかった金額の事をパンフではAと言っています。
質問者の方についてはBが赤字ですので、ひききれなかったAの金額は、Cの金額全額と言うことになります。
また、そのBの赤字が土地建物等の譲渡所得から引けるかどうかですが、これは、損益通算と言う制度となります。
損益通算には、
7 譲渡所得の金額の計算上生じた損失のうち、一定の居住用財産以外の土地建物等の譲渡所得の金額の計算上生じた損失がある場合は、土地建物等の譲渡所得以外の所得の金額と損益通算はできません。また逆に、土地建物等の譲渡所得以外の所得の損失も、土地建物等の譲渡所得の金額と損益通算できません。
と記載されていて、出来ないとなっています。
尚、詳細はhttps://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2250.htmを参照ください。
では、参考までに。
本投稿は、2015年04月16日 12時30分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。