養育費をもらっている側の控除について、控除されるものはあるのか
養育費を受け取っているため、15年近く扶養控除は受けてこられませんでしたが、子どもの保険料はこちらがずっと支払いをしていました。
養育費を受け取っている間は扶養控除は受けられないのでしょうか?
子どもの保険料を払っているのに、控除されるものはないのでしょうか?
ひとり親控除も受けられない、控除されるものがないままで、毎月3万円の養育費を受け取る方が、かかる税金より損はしないのでしょうか?
税理士の回答

石割由紀人
養育費を受け取っている場合の扶養控除やひとり親控除について解説します。
1. 扶養控除について
扶養控除を受ける条件は、以下の要件に該当することです。
- 生計を一にする親族(子ども含む)がいること
- その扶養親族の年間合計所得が48万円以下であること(給与収入のみなら103万円以下)
- 自分が扶養している事実があること
しかし、養育費を受け取っている場合でも、
- 生計を一にしている(主な生活費を負担している)
- 子どもの所得が条件を満たしている
のであれば、扶養控除を受けることは可能です。
ただし、養育費を「生活費の一部補填」として使っていることが認められる場合は、扶養控除の対象になりますが、
養育費が主な生活費を支えている場合、扶養控除が認められないことがあります。
2. ひとり親控除について
「ひとり親控除」は以下の要件に当てはまる場合に適用されます。
1. あなた自身が婚姻歴がなく、または離婚後であること
2. 生計を一にする子どもがいること
3. 子どもの合計所得が48万円以下であること
4. あなた自身の合計所得が500万円以下であること
養育費を受け取っているだけで「ひとり親控除」が適用されないということはありません。
ただし、あなたの合計所得が500万円を超える場合、控除は適用されません。
3. 子どもの保険料についての控除
子どもの保険料を支払っている場合、以下の控除が適用できます。
- 社会保険料控除
あなた自身が子どもの国民年金保険料や健康保険料を支払っている場合、その支払い分を「社会保険料控除」として所得控除できます。
支払った金額全額が控除対象です。
- 生命保険料控除
子どものための生命保険料をあなたが支払っている場合、所定の限度額内で控除を受けることが可能です。
4. 養育費と税金の関係
- 養育費は非課税所得として扱われるため、養育費を受け取っても税金はかかりません。
- 一方で、養育費を受け取っていることで扶養控除が認められない場合があるため、負担感があるかもしれません。
とてもわかりやすく、的確に回答いただきまして本当にありがとうございました。もっと早く相談すべきでした。
本投稿は、2024年12月17日 21時12分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。