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医療法人で理事長(院長)への社宅提供について

数ヶ月後に医療法人を継承予定です。法人で賃貸物件を借上げ、給与から相場家賃の半額程度(調べたところ理事長に対しては15%程度との情報も出てまいりました)を天引きする前提で、理事長(管理医師、院長)が居住する用に貸付を行うことは可能でしょうか?

税理士の回答

 医療法人の理事長等(一般法人の役員相当)に対して社宅を貸与する場合は、役員から1か月当たり一定額の家賃(以下「賃貸料相当額」といいます。)を受け取っていれば、給与として課税されません。
 賃貸料相当額は、貸与する社宅の床面積により小規模な住宅とそれ以外の住宅とに分け、次のように計算します。(小規模な住宅とは、法定耐用年数が30年以下の建物の場合には床面積が132平方メートル以下である住宅、法定耐用年数が30年を超える建物の場合には床面積が99平方メートル以下である住宅をいいます。役員では一般的な環境ではないと思われます)
 ただし、この社宅が、社会通念上一般に貸与されている社宅と認められないいわゆる豪華社宅である場合は、次の算式の適用はなく、通常支払うべき使用料に相当する額が賃貸料相当額になります。(豪華社宅であるかどうかは、床面積が240平方メートルを超えるもののうち、取得価額、支払賃貸料の額、内外装の状況等各種の要素を総合勘案して判定します。なお、床面積が240平方メートル以下のものであっても、一般に貸与されている住宅等に設置されていないプール等の設備や役員個人のし好を著しく反映した設備等を有するものについては、いわゆる豪華社宅に該当することとなります。)

貸与する社宅が小規模な住宅である場合
次の(1)から(3)までの合計額が賃貸料相当額になります。
(1)(その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2パーセント
(2)12円×(その建物の総床面積(平方メートル)/(3.3平方メートル))
(3)(その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22パーセント

貸与する社宅が小規模な住宅でない場合
貸与する社宅が小規模住宅に該当しない場合には、その社宅が自社所有の社宅か、他から借り受けた住宅等を役員へ貸与しているのかで、賃貸料相当額の算出方法が異なります。
(1)自社所有の社宅の場合
次のイとロの合計額の12分の1が賃貸料相当額になります。
イ (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×12パーセント
(ただし、法定耐用年数が30年を超える建物の場合には12パーセントではなく、10パーセントを乗じます。)
ロ (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×6パーセント
(2)他から借り受けた住宅等を貸与する場合
会社が家主に支払う家賃の50パーセントの金額と、上記(1)で算出した賃貸料相当額とのいずれか多い金額が賃貸料相当額になります。



ですから、「法人で賃貸物件を借上げ、給与から相場家賃の半額」を天引きする前提であれば、理事長(管理医師、院長)が居住する用に貸付を行うことができます。

 なお医療法人には自社建物の賃貸は原則できません。医療行為と定款に規定していない業務は収益を伴わないものでも医療法人は一切行うことができません。福利厚生として従業員に社宅として建物を賃借することは本来の附随業務として行うことができますが、建物を理事長に賃貸することは剰余金配当に当たる可能性があります(医療法第54条)

 なお給与として課税されるケースでは、(1)役員に無償で貸与する場合は、賃貸料相当額が給与として課税されます。(2)役員から賃貸料相当額より低い家賃を受け取っている場合は、賃貸料相当額と受け取っている家賃との差額が給与として課税されます。

(根拠法令等 所法36、所令84の2、所基通36-15、36-40~41、平7課法8-1外)

エッセンシャルで大変分かりやすかったです。根拠法令も添えていただきまして、丁寧なご回答誠にありがとうございました。

本投稿は、2022年10月03日 15時11分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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