イタリア滞在(非居住者)フリーランサー納税について
先月(2022年9月24日)結婚のためイタリアへ移住してきました。
現在、フリーランスで日本の企業からグラフィックデザインの仕事を頂いて収入を得ています。
(クライアントは日本在住時から引き続き同じ企業で、
日本では白色確定申告(年700万前後売上)をしていました。
1.租税条約届出書 様式、付表について
租税条約届出書 様式は 6 or 7 どちらでしょうか。
2.イタリアの場合、〈特典条項に関する付表〉は必要でしょうか。
またイタリアでの住民票が必要になりますか?
(現在婚姻手続き中で12月にならないと住民票は発行不可能)
3.租税条約届出書 提出について
書類を記入し、クライアント企業にデータでメール送信すればよいのか、
または税理士の方に依頼して提出しないといけないのか。
4.開始時期について
今年度2022.8月末分までは、2022年9月に日本で確定申告を済ませてきました。
現状、毎月仕事をいただいており、2022年9月分納品は完了、
日本の銀行口座に源泉税をひかれた分の振込ありました。
この場合、9,10月は遡って申告しないといけないのでしょうか。
税理士の回答

土師弘之
1について
グラフィックデザイナーであれば、「デザイン料」ですので「使用料」に対する対価となり、「様式3」となります。
「様式6」は人的役務提供事業(人材派遣業のようなものが該当)、「様式7」は自由職業者(士業)・芸能人・運動家(プロスポーツ選手)・短期滞在者が対象となります。
2について
イタリアとの間では「特典条項」が設けられていません。したがって、様式もありませんので「居住者証明書」も不要です。
3について
租税条約に関する届出書は、支払者(日本企業)を通じて支払者の所轄の税務署に提出することとなっていますが、税務署に提出するのは原本です(コピーは不可)。ただし、データを送付し、支払者に代わりに作成して提出してもらうこともできます(サインが不要であるため誰が書いたかわかりません)。
4について
日本を出国するまでに役務の提供が完了した分までが日本での「国内源泉所得」となります。したがって、9月の出国までに納品が完了したものは確定申告が必要です。申告漏れであれば、納税管理人を届け出て代理で修正申告をしてもらう必要があります。納税管理人は日本の居住者であれば誰れでもなれます(親族でもOK)。
たいへん明確なご回答ありがとうございました。
さっそく手続きさせていただきます。
恐縮ですが、追加でご質問です。
租税条約届出書をご提出後、開始が11,12月になるかと思いますが
日本出国後の10月の納品については、企業側に20.42%の源泉徴収に変更してもらわないといけないのでしょうか。(現在、10.21%引いた額の振込みです)
この場合企業側の手続きとして書類等が必要になるのでしょうか。
※改めてご依頼が必要でしたら、お見積もりいただけますと幸いです。

土師弘之
租税条約に関する届出書提出以降の支払から源泉税率が10%(租税条約の基づく源泉税率)となるため、それ以前の支払は20.42%で徴収することになります。
なお、20.42%で徴収したところで、その届出書に10月から(イタリアの居住者との)取引が開始したと記載していれば、10%との差額は還付請求することができます。するかしないかは自由です。
企業側が用意すべき書類は「業務請負契約書」程度だと思われます。
契約の相手方が日本の居住者からイタリアの居住者に代わっていますので、契約書にその旨が記載されている必要があります。当初の契約書を活かすのであれば、住所とかの変更の覚書を追加すれば間に合います。
基本的に手続するのは日本企業側ですので、あちらに任せればいいのかと思います。
たびたびのご回答ありがとうございました。
自分で調べるもいまいちわからず、途方に暮れておりました。
このように簡潔に大変わかりやすく教えていただき、本当に助かりました。
ありがとうございました。
本投稿は、2022年10月20日 15時03分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。