現金主義と発生主義について
どうぞよろしくお願いいたします。
先日こちらで青色申告のやり方についての質問をし丁寧に回答していただいたところです。
https://www.zeiri4.com/c_5/c_1021/q_12715/
こちらで、
「売り上げや運賃は、口座に振り込まれた日・引き落とされた日にまとめて記帳してもよい」
「発生分(期末時点での未入金、未払い金)を決算仕分けで記帳すれば問題ない」
とのアドバイスをいただき、「なんだ、毎日記帳しなくていいんだ!」とホッとしました。
ただ、そのあと確定申告についてのサイトを見ているうちに、再び不安になってきてしまいました。
多くのサイトで、
「青色申告では、口座にお金が振り込まれたり引き落とされたりした日にまとめて記帳をするのは間違い。
正しくは売り上げがあるとわかった時点で記帳すること」
「期中の取引は実際に現金が動いた段階でのみ記帳して良いことになっています。
そして、期末の取引については、まだ実際にお金を受け取っていない売上でも、
売掛が確定した時点でその年の収入として計上しますが、これは白色申告の場合」
「現金主義で青色申告したいなら、その旨の届け出が必要(私はそのような届け出はしていません)」
といった情報が出てきて、
「本当に青色申告で、振り込みのあった日にまとめて記帳でいいのだろうか…?」
「サイトによって書かれていることが違ったりもしているし、一体なにが本当なんだろう…」
と不安をあおられてきました。
何が本当なのかもう一度お聞きしてみるのが一番確実と思い、再び質問させていただきます。
私は、
●青色申告は発生主義で記帳する義務がある
●発生主義とは、売上があるとわかった時点で記帳し、売上が振り込まれた日にまとめて記帳したりしないことを言う
このように理解しているのですが、不安・疑問なのは、
●期中は現金主義、期末は発生主義として良いのは白色申告だけという情報が書かれたサイトがあったが、
青色申告で65万円控除を受けたい場合も本当にこれでいいのか?と不安に思えてきている
●いいのであれば、多くのサイトで「まとめて記帳してはだめ」と書かれているのはなぜ?
というところです。
お手数ですが、現金主義と発生主義、期中や期末についてより詳しくご説明をしていただきたいと思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。
税理士の回答

藤本寛之
ポイントだけ記載させていただきました。
「期中」は現金主義で売上と費用とを記帳し、「期末」で未入金の売上について売上を計上し、一方未払の費用について費用を計上する、という方法で記帳しても、年間を通せば売上も費用も「発生主義」で記帳されていることになります。青色申告をする上での発生主義の要件はこれで十分満たします。
ちなみに、現金主義で記帳するとは、期末時点で未入金の売上・未払の費用を計上しないという方法です。
「期末」の捉え方ですが、青色申告をする上では「年末」と考えてもらえば十分です。

はじめまして、税理士法人としま会計の公認会計士・税理士の嶋根と申します。
結論から申し上げますと、青色申告において、期中は現金主義、期末に発生主義で問題ございません。
確かに、会計の世界では「発生主義」で認識することになっています。ですから、会計上正しく帳簿付けするには期中も期末も発生主義が本来のやり方です。
では、税務上はどうでしょうか。
青色申告と白色申告の大きな違いとして、青色申告はBS・PLを添付することになっていますが、期末に発生主義の仕訳を正しくいれれば、このBS・PLのできあがりに差異が出ません。もちろん、税額にも差異はありません。ですから、期末に発生主義の仕訳を正しく計上すれば、それは発生主義に基づく申告と言えます。
このようなことから、期末に発生主義(未収の売上や未払の仕入を計上する)の仕訳を入れることは、個人事業主~小規模企業の税の世界では許容されていると考えることができます。
もし心配がぬぐえない、手間がかかる、ようであれば、会計ソフト代+αのご予算で税理士に記帳代行から頼むこともできると思いますので、相談されてみてはいかがでしょうか。
本投稿は、2018年01月21日 17時23分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。