国外関連者の判定について
別表17(4)国外関連者に関する明細で、資本関係のない会社が記載されていたため、
顧問税理士に確認したところ資本関係はなくとも、同族(親、子供、兄弟など)が支配株主である国外会社は国外関連者と判定されるとのことで、税法のどの部分に記載があるか問うたところ、通例であるとのことでした。根拠となる税法があると思うのですが。ご教示頂きたく。
税理士の回答

土師弘之
国外関連者とは、法人との間に、直接または間接の50%以上の株式等の保有関係や実質的支配関係(役員関係・取引依存関係・資金関係など)といった特殊の関係がある外国法人をいいます。
「持株関係」とは、(1)いわゆる「親子関係」として、二の法人のいずれか一方が他方の法人の発行済株式等の50%以上の株式等を直接又は間接に保有する関係をいい、また、(2)いわゆる「兄弟関係」として、二の法人が同一の者によってそれぞれその発行済株式等の50%以上の株式等を直接又は間接に保有される関係をいいます。
「実質的支配関係」とは、例えば、他方の法人の役員の2分の1以上又は代表権を有する社員が、一方の法人の役員若しくは使用人を兼務している等の事実により、二の法人のいずれか一方の法人が他方の法人の事業の方針の全部又は一部につき実質的に決定できる関係をいいます。
「持株関係と実質的支配関係とが連鎖する関係」とは、法人と外国法人との間が、持株関係又は実質的支配関係の一方又は双方で連鎖している関係をいいます。
これらは、租税特別措置法施行令第39条の12第1項に規定されています。
ありがとうございます。
持ち株関係については50%以上の株式をどちらも保有しておりませんので親子関係でも兄弟関係でないと思います。
実質的支配関係については役員関係はなく、同じ業種のため取引関係ではありますが、
取引関係でなければ商売が成立しないわけではありませんので依存ではないと思います。
資金関係は資金の貸し借りはありますが、利息を計上しております。
上述にて税法上の国外関連者ではないと思うのですが、血縁関係というだけで国外関連者と判定されるとのことです。
血縁関係のある家族が国外に会社を持っているだけで国外関連者判定されるものでしょうか?

土師弘之
国外関連者は、基本的に会社間の関係(形式基準)で判定しますが、それだけでは不十分なので「実質的支配関係」(実質基準)も加味することになっています。
実質基準には、「役員の派遣の有無」「取引依存度」「資金依存度」があり、この強度で判定しますが、この実質基準関係がなければ、ただ単に株主同士が親族であるというだけ(名義株である場合を除く)で「国外関連者」となることはありません(そのような定義となっていません)。
なお、実質基準を満たすかどうかはここでは判断できませんので、「国外関連者」である可能性は全くないとは言えません。
本投稿は、2025年01月14日 12時41分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。