自宅兼事業所の経費について
自宅兼事業所の場合の経費の考え方についてご教示下さい。
私は副業という立ち位置でイラストを制作し、販売しています。
電気や通信費が経費に計上出来るのは認識していますが、ガスや水道代は経費に出来ますか?
時間で換算して1年の2割程度副業をしており、その分経費にしようと考えています。
税理士の回答

佐藤和樹
自宅兼事業所の場合、ガス代や水道代を経費にできるかどうかについては、業務との関連性が重要なポイントになります。
1. ガス代
ガス代は、主に以下のような業務で使用する場合に経費計上が可能です。
• 仕事用の調理(例:飲食関連の仕事)
• 暖房(ガスファンヒーターや床暖房など)
• 作業環境の維持(温度管理が必要な場合)
一般的な副業のイラスト制作では、ガスを特別に業務で使うケースは少ないため、経費計上は難しいと考えられます。ただし、冬場にガス暖房を使用して作業する場合は、その部分について経費按分の余地があります。
2. 水道代
水道代も、事業に直接関係する場合にのみ経費計上が可能です。
• 洗い物が必要な業務(例:画材を使用するアナログイラスト制作)
• 特殊な用途(例:工房やアトリエで水を大量に使う)
デジタルイラスト制作の場合、業務と水道の関係が薄いため、経費計上は難しいでしょう。
3. 按分の考え方
電気代や通信費と同じように、業務時間で按分する方法は合理的ですが、ガス代・水道代については「業務との直接的な関連性」が求められるため、按分したとしても税務調査で否認されるリスクが高いです。
もし、冬季にガス暖房を主に作業部屋で使うなどの合理的な理由があれば、電気代と同様に時間で按分して一部を経費計上することも検討できます。ただし、全体の額としては少額になる可能性が高いので、慎重に判断するとよいでしょう。
本投稿は、2025年03月08日 19時53分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。