税理士ドットコム - [確定申告]法人税等の申告について(所得の計算) - 1. 【従事分量配当の取扱い】■法人税法上の基本取...
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法人税等の申告について(所得の計算)

過去に類似した質問をさせていただいておりますが、再度質問をさせていただきます。
当方の情報で農事組合法人で決算月は3月です。2024年度決算を3月末に迎え、法人税等の申告準備に取り掛かっております。今般、お聞きしたいことは下記の通りです。
2023年3月期(昨年度)の決算の剰余金について、処分案(従事分量配当と任意積立金の積立)を2024年5月の総会に提出し可決されましたので、総会実施日に「前期繰越利益」という科目を使用し、仕訳を入力いたしました。
仕訳 借:前期繰越益 貸:任意積立金
           貸:仮払金 
※従事分量配当充当分は2023年度に仮払金で計上しておりました。

この場合、従事分量配当と任意積立金の積み立てに充当した金額はいずれも今期の所得を計算する際、損益金の不算入となるのでしょうか。ご教示願います。

税理士の回答

佐藤和樹

1. 【従事分量配当の取扱い】

■法人税法上の基本取扱い:

農事組合法人における従事分量配当は、組合員の事業従事量に応じて支払われる配当であり、剰余金の処分として行う場合は原則として損金不算入です。
• ただし、分量配当相当額を決算期末までに費用処理しており、かつ実際に支払われている場合は、損金算入が可能となるケースもあります(法人税法基本通達2-2-1等参照)



■今回のケース:
• 該当の従事分量配当は「2023年度(前期)に仮払金で計上済」
• これは実質的に「費用処理済+支払準備済み」と評価され得る

→ よって、前期に仮払金で計上されており、今期に剰余金処分として正式に承認されたものであれば、損金不算入とされない(= 損金算入できる)可能性があります。

※ただし、支払先・配当方法・配当根拠の明示(組合員の事業従事量に応じた計算)など、実質的な要件充足が前提です。



2. 【任意積立金の取扱い】

■法人税法上の基本取扱い:
• 剰余金からの任意積立金への積立は、法人税法上「利益の社内留保」とみなされ、損金不算入です。
• 任意積立金は、あくまで資本的な性質を持つため、費用(損金)とは認められません



■今回のケース:
• 総会により承認された任意積立金への振替は、前期剰余金を今期に資本的に処理したもの
• よって、当然に損金不算入となります。

3. 【結論】
• 任意積立金への充当額は損金不算入(別表四で加算)
• 従事分量配当は、仮払金として前期に計上済・支払済であれば、今期の損金調整は原則不要
 → ただし、剰余金処分の承認が遅れたことから、場合によっては注記または補足説明が望ましい

本投稿は、2025年04月15日 14時54分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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