不動産所得としての確定申告について
相続人ABCDがいます。この4名は被相続人のもっていた土地を相続しました。本来Cは相続する意思がありませんでしたが、被相続人の遺言書に4名等分にという明記がありましたのでABCD4名にて相続登記を完了しました。ただCは相続するつもりがなかったため相続税はABDで負担しました。相続した土地は駐車場として貸しており継続して不動産所得が入ってきます。ただ賃料はABDの収入になりCも了解しています。この場合登記しているという理由でCも不動産所得としての確定申告をしなければならないのでしょうか?
税理士の回答
相続した土地の賃料収入と、不動産所得の申告義務の関係について整理します。
1. 所得税の基本原則
所得税は「実質所得者課税の原則」に基づき、実際にその所得を得た者に課税されます(所得税法 第12条)。
2. 不動産所得の場合の原則
共有登記されている土地や建物の賃料収入は、原則として登記持分割合に応じて課税されます。
これは、賃料請求権が登記名義人の権利に基づくためです。
したがって、今回のように「Cは賃料を受け取っていない」という合意が当事者間にあっても、登記名義がある以上、Cにも持分に応じた不動産所得があるとみなされ、申告義務が生じるのが通常の取扱いです。
3. 例外(Cが課税されない場合)
実務上、登記と実際の所得者が異なる場合でも、例外的に「実質所得者課税」が認められるのは、
・長期の不法占拠者が賃料を得ている場合
・名義借り(借名登記)で実際の所有者が別にいる場合
・遺産分割協議により実際の取得者が特定されているのに登記が未了の場合
といった特殊なケースです。
今回のように「相続登記を済ませているが、Cが受取を放棄している」というだけでは、Cは登記上の所有者であるため、税務署は課税対象とみなすのが通常です。
4. 実務上の対応策
・遺産分割協議書をやり直して、Cが持分を取得しないことを明確化し、持分移転登記を行うのが根本解決。
・それができない場合、Cは不動産所得を申告したうえで、C→ABDへの「贈与」や「分配契約」に基づき資金を移す形をとらざるを得ません。
・放置すると、Cが申告していない点を税務署から指摘されるリスクが高いです。
・もっとも税務署も金額が僅少であればあえて追及しないこともあるかと思います。
✅ 結論
・原則:不動産所得は登記持分に従って課税。
・Cが賃料を受け取っていない合意があっても、登記名義人である以上は課税対象。
・Cが課税されないのは「不法占拠者」「借名登記」「未分割遺産」など特殊ケースに限られる。
・実務的には「持分移転登記」で登記と実態を一致させるのが必須。
参考になりました。ありがとうございました。
本投稿は、2025年08月30日 11時40分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。