夫婦共有名義不動産売却時の確定申告について
持分比率が夫1割・妻9割のマンション(30年前に購入し、現在賃貸中)をオーナーチェンジで売却します。
売却益が出るのは明らかなのですが、賃貸契約者を夫名義にし夫の収入としていたこと及び、固定資産税やマンション共益費等の全ての支出も夫名義でしていたことが、どのように確定申告に影響するのかが分からなく、相談させていただきました。
ご回答の程、よろしくお願い致します。
税理士の回答

不動産を譲渡したことによる所得は、その不動産の所有者に帰属します。
不動産の売買等で所有者の登記名義人が変わった場合には、法務局からその情報が税務署に通知されることになっています。また、譲渡所得の確定申告の際には、売買契約書や登記簿謄本等を添付しますので、所有者がお二人で、持ち分が1:9であることが、それらの資料からも判明します。従って、譲渡の確定申告に当たっては、所有権割合に応じた形で申告された方が良いと思います。
問題は今までの賃貸収入に関する申告内容かと思います。本来は賃貸収入に関しても持ち分に応じて収入経費を案分して計算すべきものでしたが、ご主人が一人で全額申告されていたとのことですので、あるいは過大に納税していたことも考えられます。こちらは正確に計算してみないと分かりませんが、場合によっては更正の請求か修正申告が必要になるかもしれません。税務署が気がつかなければ過去のことは問題にならないこともあるかもしれません。こちらに関しては何とも言いないのが正直なところです。ご了承ください。
以上、ご参考になれば幸いです。
早々にご回答いただき、誠にありがとうございました。
ちなみに、夫婦共に年金受給者で、収入は賃貸収入のみですが、このことが更に影響するようであれば、教えていただけると助かります。また、今まで賃貸収入を得ていなかったことになっている妻の申告はどのようになるのか?についても教えていただけると助かります。
よろしくお願い致します。

ご連絡ありがとうございます。
賃貸マンションがご夫婦の共有名義の場合には、その持分に応じて収入と経費を按分し、それぞれが確定申告する必要があります。
そして、国(税務署)は過去5年間に限り遡って課税することができ、納税者は過去5年間に限り納め過ぎの税金を還付請求するができます。従って、相談者様のケースでは次のようになると考えます。
・ご主人:本来は1/10の持分相当の収入経費を申告すれば良かったところを、全額申告されていたとのことですので、過去5年分について、収入経費の9/10相当額を減額修正することになります。納め過ぎていた税金がある場合には「更正の請求」又は「更正の申出」という手続きで税金を戻してもらうことになります。
・奥様:本来は9/10の持分相当の収入経費を申告すべきところを、全く申告されてなかったとのことですので、過去5年分について「期限後の確定申告」をすることになります。
なお、上記の手続きの結果、配偶者控除の適否や住民税の金額に影響が生じることもあり得ますので、その点もご了承ください。
宜しくお願いします。
詳細な解説、まことにありがとうございました。
本投稿は、2016年06月22日 20時06分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。