過去の株式譲渡損の繰越と更正の請求について
会社員で過去に給与所得の確定申告は提出済(平成27年〜)なのですが、株式譲渡損のみ申告できていなった場合、今から更正の請求をして過去分の株式譲渡損を繰越そうとすると却下されるのでしょうか?特定口座の源泉徴収なしです。
更正の請求で対応できるかは、証券口座の種類の源泉徴収の有無で違ってくるような論点もあるようです。
一方、そもそも初回の申告時に譲渡損を申告せず、翌年の申告も提出済の場合は時系列的な連続性の観点から更正の請求は却下されるような論点もあるようです。
自分ではこれらの判断がつかず混乱してしまい、私のケースだと過去の株式譲渡損を繰越して、令和元年の譲渡益と相殺できるのかご教示いただきたいです。
租税特別措置法通達37の12の2-5の記載を見ますと、確定申告書を提出している場合(譲渡損失の申告無し)で、特定口座(源泉徴収なし)の場合は、更正の請求をすれば、損失があったこととされるようにも読めます。
【租税特別措置法通達37の12の2-5】
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/shotoku/sochiho/020624/sanrin/1273/37_12_2/01.htm
一方で、国税不服審判所の2016年12月2日の裁決事例では、2-5は申告時の意思がどうであったか書類の提出(計算明細書の提出等がされている)の有無で判断しており、申告時に(書類等の提出がなく)何もしないと判断されるとの解釈もあるようです。
但し、この判例も口座の源泉徴収の有無などの記載がなく、口座の種類によって救済措置の扱いが変わるのかも私には読み取れませんでした。
【国税不服審判所の2016.12.2の裁決事例】
https://www.kfs.go.jp/service/JP/105/04/index.html
どうぞよろしくお願い致します。
税理士の回答

安島秀樹
これだけ自分で調べているのなら、更正の請求をしてみたらどうですか。税務署の取り扱いは前の税理士さんの言っているとおりです。ダメと言われたらあなたの言い分を書いて不服申し立てをすればいいです。文書で答えてもらえます。
安島先生、アドバイスいただきありがとうございます。
更正の請求をしても一切勝ち目がないようでしたら、過去の損失は諦めるしかないようにも思います。
2016年の判例を見ると、翌年の確定申告を提出した時点で、前年の更正の請求をしても株式譲渡損の繰越は不服申し立ても却下されてしまうようにも見えます。
過去の株式譲渡損の繰越と更正の請求について、どのように解釈すべきか、よろしければ安島先生の見解をご教示いただけないでしょうか。
また、更正の請求をして不服申し立てをしたとして、結局は税務署がダメと言ったら納税者は従わざるを得ないのか、2016年のような判例があったとしても、裁判外であれば税務署に不服申し立てが認められることもあり得るのか、安島先生はどのように見ていますでしょうか。
ぜひ、先生の見解をお聞かせいただけますと幸いです。お忙しいところ恐れ入りますが、どうぞよろしくお願い致します。

安島秀樹
損失のあった年に繰越を申告してないとだめだと思います。2016の判例と言っているのは、裁判所の判決でなくて、税務当局内の判断のようです。不服申し立てが認められないと、裁判に訴えることができて、それが最終判断ということになるみたいです。
安島先生、早速ご回答いただきありがとうございます。
そうしますと、もはや私が更正の請求をして過去の株式譲渡損について不服申し立てをしても無力で、税務署に棄却された後、強制的に納税させられて終わりとなるでしょうか。
また、私個人ではもはや戦いようがなさそうでさので、仮に安島先生にその後のご支援を正式にご依頼したとしても、税務署の結論をくつがえす事は難しそうでしょうか。まだ私として、結論をくつがえす方法があれば、税理士の先生のサポートを受けながらでも対応していきたいとは考えているのですが、いかがでしょうか。
どうぞよろしくお願い致します。

安島秀樹
不服申し立ては紙にササと書いて出すだけなので簡単です。上に書いてあるようなあなたの言い分を書いておけば充分です。税務署でやり方を教えてくれます。やってみたらどうですか。裁判は、お金もかかるし、自分でやるか、弁護士さんに頼むか2択だけです。
安島先生、不服申し立てのやり方をご教示いただきありがとうございます。
安島先生にご依頼したとしても、税務署に過去の株式譲渡損と更正の請求を認めさせることは難しいでしょうか。
税務署が認めてくれそうか、その可能性次第で今後の対処を変えていこうと考えております。
よろしくお願い致します。

安島秀樹
まずは更正の請求をして、ダメと言われたら、不服申し立てをするのがいいと思います。これで回答終了にします。
安島先生、お忙しいところご教示いただき、ありがとうございました。
助言いただいた内容をもとに対応いたします。
本投稿は、2020年09月13日 10時04分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。