為替差損益の帳簿付けとその時の為替レートについて
個人事業主として海外企業から業務を請け負い、月末に締めて翌月初週に請求書を発行し、
報酬をドル建てでPayoneerの口座で受領しました。
簡単のため数字を変更してありますが次のような流れです。
①11月30日 11月分請負業務締め
②12月04日 11月分の請求書発行(11月30日日付)300ドル
(11月30日のレートを使用し円換算)
③12月15日 11月分報酬受領 300ドル
(11月30日のレートを使用し円換算)
ドル建て口座(Payoneer)残高300ドル
④12月20日 Payonnerから邦銀ドル建て口座へ円転 200ドル
(12月20日のレートを使用し円換算)
11月分請求書発行時の200ドル分の円換算値を使用して為替差損益を計算し帳簿付け
ドル建て口座(Payoneer)残高100ドル
⑤12月31日 ドル建て口座(Payoneer)の為替差損益の計算と帳簿付:
報酬受領時に計算してあった円換算値の100ドル相当分と
12月31日のレートを使用し計算した100ドルの円換算値との差額を為替差損益として帳簿付け
質問(A)
上記のように
②は当日の為替レート
③は前月末日の為替レート
として別々のルールを適用することは受け入れられるのでしょうか?
(法令解釈通達第1節 外貨建取引に係る会計処理等
の
"""継続適用を条件として、当該外貨建取引の内容に応じてそれぞれ合理的と認められる次のような外国為替の売買相場(以下この章において「為替相場」という。)も使用することができる。
(1) 取引日の属する月若しくは週の前月若しくは前週の末日又は当月若しくは当週の初日の電信買相場若しくは電信売相場又はこれらの日における電信売買相場の仲値"""
における、”合理的と認められる〜”の範疇に収まっているかどうかが判断できませんでした。)
質問(B)
Payoneerのドル残高の為替差損益の帳簿付けについて、1年の締めである12月末日の年1回で良いかと考えておりますが問題ございませんでしょうか。
以上2点につきましてご教授いただければありがたいです。何卒よろしくお願いいたします。
税理士の回答
質問(A)
③は12月15日のレートです。
ご記載の法令解釈通達は法人税のもので、所得税における事業所得は「その取引を計上すべき日における対顧客直物電信売相場と対顧客直物電信買相場の仲値による。(継続適用を条件にTTB又はTTSでも可)」とされています。(所得税法基本通達57の3-2)
質問(B)
個人の場合、法人のように外貨預金の期末時換算という規定はありませんので、為替差損益を認識するのはドル→円、円→ドルに両替した時だけです。
所得税に係る外貨建取引についての通達は以下のリンクをご確認ください。
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/11a/01.htm
前田靖 様
お忙しいなかご回答くださり誠にありがとうございました。
ご指摘により思い違いを正すことができました。
ひとつ確認をさせていただきたいのですが、
ご提示いただいたリンク先の(注)2 (1)にも、既述の法人税の法令解釈通達と同様の記載がございました。
また、これは当月初日の為替レートを適用することについてですが、同じようなケースでの相談がありました。
https://www.zeiri4.com/c_5/c_1059/q_66014/
それでもやはり私のケースの③では11月30日のレートは使用できず(継続適用を企図したとしても)、原則に従った12月15日のレートを使用することの一択しかないということなのでしょうか。
③で12月15日のレートを使用しますと、売上を計上した日(11月30日)と決済をした日(12月15日)で、両替が発生していないにもかかわらず為替差損益を考慮して帳簿上(会計freee)の帳尻を合わせることになります。為替差損益が実現していない時点で為替差損益を帳簿付けするのは違和感がありますが、そういうものなのでしょうか。③に11月30日のレートを使えれば為替差損益は円転時だけを考慮すれば良くなりますので、ずいぶんとすっきりするのになと思いまして。
質問Bについて
個人の場合は期末時の換算は必要なかったのですね。ありがとうございました。
失礼しました。
原則は取引日レートですが、継続適用を条件に前月末のレートを適用することができます。
お詫びして訂正させていただきます。
前田靖 様
お忙しいなか、一連の質問に迅速にご回答くださり誠にありがとうございました。
不明だった点がとてもクリアになりました。
またの機会がございましたら、何卒よろしくお願いいたします。
本投稿は、2021年05月05日 16時14分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。