譲渡所得の確定申告
5年ほど前、私が連帯人保証人となり、知人が土地付き中古住宅を購入しました。万が一のことを考え、その購入した土地、建物は共有名義にて所有することになりました。しかし、その後管理などはその知人が行なっており、関わることもなかったのですが、昨年3月にその購入した土地建物の売却のため、諸手続きに必要な書類への署名をしてほしいといわれ、おそらく名義変更の手続きだったのですが、不動産屋を通して、司法書士事務所にて手続きを行い、その後、売却終了後には、抵当権消滅の書類のコピーも不動産屋から送られてきたので、安心していたのですが、最近、譲渡所得の確定申告がされていないため速やかに行ってくださいと税務署から書類が届きました。その知人から金銭は一切受け取ってないので、その旨、税務署にも話はするつもりではおりますが、私に申告、納税などの義務が発生するのか心配です。知識不足で大変申し訳ありませんが、対処策など教えて頂けるとありがたいです。宜しくお願いします。
税理士の回答
面倒なことになってしまいましたね。結論とすれば、貴方に申告・納税の義務が生じてしまうように思われます。
まず税務署は、登記所から回される登記簿に注目しています。そしてその登記簿に知人と共有の不動産を貴方が売却したと記載されていました。であれば「譲渡所得を申告せよ」と要請してくるのは当然のことといえます。
ただし実際には、貴方は保証人の立場の保全の意味から名前を出しただけという立場にあります。したがって、貴方はそうした実態を税務署に説明・立証する必要がありましょうが、おそらくそれは不可能だと思います。つまり税務署は、実態がどうなのかということに首を突っ込み出すと、大量の課税実務に対処しきれなくなります。その結果、登記簿の表示という外形上の事実を前提に処理していかざるをえないわけです。
なお補償の保全の意味とはいえ、二人は事実と違う共有の登記を行っています。堅い話をすると、これは更正証書原本不実記載といった刑法の規定を犯していることになります。やはり登記簿に記載されている以上は、税務署を含め世の中はその記載事項を前提に動いているわけです。
したがって貴方は、この問題の処理はこの友人に持ち込むことになります。つまりこの申告を行った上で、友人にその税の支払いを要請するわけです。そもそも実際は友人がそのすべてを売却しているのですから、譲渡税も友人が払うのは当然の話です。
一方、その友人がその要請から逃げ回る等の不誠実な人であった場合には、その税は貴方が負担するより他ありません(これを放置するとやがては差押されることにもなりかねません)。そして最終的に友人から負担額を回収できなかったとすれば、現実的には諦めるしかないと思います。そうした人の保証人になってしまった以上、致し方ないように思います。
丁寧なご回答、ありがとうございます。
本投稿は、2017年04月20日 19時28分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。