米国内で源泉徴収されている米国内の給与所得のみの在留資格を持つ米国人の日本での確定申告について」
米国籍で在留資格(日本人の子)を取得し、日本に住んでいます。所得は米国法人からの米国内支給給与のみです。この給与については米国内で源泉徴収され、米国内でも確定申告をしています。この場合、日本でも確定申告を米国の収入をもとにしますが、日米租税条約で外税控除はされるのでしょうか。
税理士の回答
基本的に、昨年2021年に、2021年の所得として米国で源泉徴収された(支払った)税額は日本で外国税額控除の対象となります。
米国籍で日本居住者でしたら二重課税は免れ得ませんので、日米租税条約の外国税額控除の規定に基づいて二重課税の調整が行われることになるかと思います。
役員報酬か従業員給与かで租税条約の適用条文が異なりますが、
日本の居住者の方ということですので、リモートワーク等で、勤務は日本ということになると思いますので、いずれにしても日米双方で課税され、二重課税は外国税額控除により調整されることになるかと思います。
米国には外国税額控除とは別にForeign Earned Income Exclusionという制度があり、米国外での就労等により稼得した所得は一定額を控除できますが、ご質問者の方の場合、支払者は米国法人ということですし、この制度が使えるかどうかはUSCPAにご確認頂ければと思います。
日本で外国税額控除を取らなければ、米国の方では源泉徴収された税額として年税額から差し引くことになり、外国税額控除を適用するまでもないかと思います。
一般に日本の方が所得税(米国にいらっしゃらないので州所得税はかからないとして、米国でこれに相当する税は米国連邦所得税)が高いので、日本で外税控除を適用した方が有利になる場合が多いようには思いますが、比較検討してみないと分からないかもしれません。
米国で既に源泉された米国源泉所得ですので、Foreign Earned Income Exclusionの適用は意味がありませんでした。訂正します。
米国源泉を日本で外国税額控除して、なおも日本で税額が出る場合、米国の外国税額控除がどうなるかはUSCPAにご相談下さい。
米国申告において、源泉を控除した後に発生した税額は、納税した年度の日本の申告において外国税額控除の対象となるでしょう。
日本でまず米国源泉税を外国税額控除してしまうと、米国で源泉として差し引いてしまうと二重控除になりますからできませんし、当然ながら源泉を差し引いた場合よりも多く税額が発生することになるかと思います。
それをまた翌年日本で外国税額控除、という形になるかと思いますが、これが有利かどうか、有利不利判定も必要になりいろいろ複雑な要素が出てくることが予想されます。
アドバイス誠にありがとうございます。米国にも住所を維持しており、州税も支払っています。この場合、日本での外税控除は州所得税も連邦所得税と明細を明記し合算申請が可能でしょうか。
日本の外国税額控除は連邦税も州税も対象になります。
一方、米国連邦税では明文規定がないため日本の住民税が外国税額控除の対象になるか微妙です。保守的にいくなら住民税は対象としないことになります。
日米双方の有利不利判定が必要となると何パターンかのシミュレーション計算が必要で、かなり複雑になると思われます。
外国税額控除を適用すると、日米ともに税務調査の確率は上がる可能性があります。
アドバイス誠にありがとうございました。大変参考になりました。
訂正します。
米国申告において源泉された税額を差し引くのは当然で、申告により年税額が確定します。追加税額が出るようでしたら、それを納付した年度において日本の方で外国税額控除の対象になり得ます。源泉はその年に納付されたものですので、その年度(昨年源泉されたのであれば昨年)に支払った外国税額として、外国税額控除の対象になります。
日米双方で外税控除を適用するのは相当煩雑ですが、日米租税条約によるとそのように書いてあります。
日本で可能な外国税額控除をあえて適用しないとしても、税務署に何か言われることはないでしょう。米国ですべて外国税額控除を適用する方が一般に有利なことが多いようです。
米国は後法優先で、通常租税条約より国内税法が優先します。米国国内税法の処理で済んでしまうならそれでいいですが、条約適用となると所定のフォームの添付や適用条文の確認、状況報告など、煩雑な作業が必要になると思います。
本投稿は、2022年02月11日 13時42分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。