海外送金について
私は、永住者ビザで10年間日本に住んでいます。
2か月前に,母国で自分の貯金(100万円を超えます)を生活費として自分の日本の銀行口座に送金しましたが、数日後、家庭の事情により急遽お金が必要となった為、私は日本に戻り日本の銀行に相談した所、自分の銀行口座に入金せず、そのまま母国の銀行口座に戻して頂きました。
今、凄く気になる事は、今回の送金取消について税務署から”お尋ね”と言うものが来るのでしょうか?もし、税務署から送られる可能性がある場合、どう対処すれば宜しいのでしょうか?
お忙しい中大変申し訳ございませんが、ご教示お願い致します。
税理士の回答

小川真文
国外への送金又は国外から送金を受領した金額が100万円を超えた場合に、金融機関が作成して税務署に提出する書類を国外送金等調書といいます。 適正な課税の確保のため法令で定められた制度で、調書には送金者、受領者、金額、送金目的などが記載されます。
ご相談の内容からは、まず金融機関において送金受金を取消した事実に基づいて調書の対象とならないと判断された場合には税務署には提出されません。
しかし金融機関が国外送受金のデータを機械的に抽出した場合には、税務署に提出されますので、送金受金の事実を把握することになります。ですが税務署でも取消に係る事実関係が確認できれば強いて「お尋ね」を送ることはないと思われます。
さらに国外送受金の取引内容を確認するために、「国外送金等に関するお尋ね」といった照会書面が送付される場合があったとしても、正直に回答して頂いて何の支障もありません。
このお尋ね文書は強制力のない書面なので、回答しなくても罰則はありません。しかし回答をしないと税務署から「問題があるのでは」と疑われる可能性があります。国外送金等調書は海外取引に係る資金の流れや国外財産を把握するための情報ですので、「生活費として…送金しましたが、…家庭の事情により…必要となった為」については課税上の問題はなく、安心して頂いて大丈夫です。
小川先生様
大変お忙しい中、私のような相談を親身になってご回答頂きありがとうございます。
小川先生様からご回答頂きました”金融機関が国外送受金のデータを機械的に抽出した場合には、税務署に提出されます等”と書かれておりますが、もっと詳しくお教え頂ければ幸いです。
また、来年の春頃、母国に暫く滞在する予定ですが(家を空けます)もし、税務署から”お尋ね”が送られる場合、いつ頃になるのでしょうか?
申し訳ございませんが、再度ご回答頂けませんでしょうか?

小川真文
ご返信ありがとうございます。国税局で資料情報の監査の経験がありますので、金融機関の法定調書の提出状況を把握しておりますが、こちらの相談で詳しく申し上げることはできませんので申し訳なく思います。差し障りのない範囲でお答えしますと、金融機関では全ての支店の情報を本店で集約して、全ての対象となる送受金のデータ(100万円超)を客観値(形式的に100万円超の取引)で取りまとめて、さらに海外取引等を熟知した担当者が補正等を行ったうえで調書を作成することとなる扱いと思われます。この段階で貴方の送金受金の取消に係る件は外れる可能性が高いものですが、金融機関によっては大量の処理が煩雑なため人為的な検討を省略することもあり得ると考えます。そういう意味では税務署での報告が絶対ないとは言いきれません。
本件の法定調書である国外送金等調書は毎月報告されるものですので、税務署での検討期間を含めて、いつ「お尋ね」が送付されるかは申し訳ございませんが分かりかねます。
いずれにしても先のお答えのとおり、貴方の場合は海外取引を利用した不正な手段による課税回避行為ではありませんので、全く問題はないとお考えください。よろしくお願いいたします。
今回の件で、小川先生様に色々とご教示を頂き、感謝の気持ちで一杯です。自分自身の為にも勉強になり、また、励みになりました。本当にありがとうございました。
本投稿は、2022年11月08日 21時44分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。