外国に住む外国籍の親からの海外送金
私は日本で生活する外国籍のものです。
今年1月に1年の中長期ビザを取得(日本人の配偶者等)し、在留カードを保持しています。
日本での収入や財産は全くありません。
過去10年以内に日本に住所を置いたのは今年の1月からの10ヶ月間のみのため、私の今のステータスは居住者の非永住者です。
ここから本題なのですが、
母国に住む母が今度生まれる私たちの子供のために貯めていたお金を送金してくれるそうなのですがそれは贈与税の対象になりますでしょうか。
送金予定のお金は今後の生活費と子供の教育費に全て当てる予定です。
またそのお金は母がずっと貯めていたものであり、収入からのものではありません。
また、そのお金はしばらく母が貯めていたものなので金額が大きくなる予定ですが、少しずつ送金した方が良いのか、それとも一度に送っても大丈夫なのかを教えてください。
よろしくお願いします。
税理士の回答

石割由紀人
結論から申し上げますと、あなたのケースにおいて贈与税は課税されないと考えられます。理由は以下の通りです。
1. 居住者の非永住者としての取り扱い
あなたは、日本に住所を置いている期間が10年未満であり、日本国内での収入や財産がないことから、「非永住者」と分類されます。このため、贈与税法の適用に際して、日本国内で取得した財産のみが課税対象となります。
2. 贈与者(あなたの母親)の居住状況
あなたの母親は日本に住所を持っておらず、日本国籍も持っていないと仮定されるため、海外に生活の本拠を置く「非日本居住者」です。この場合、彼女が提供する財産(資金)は国外財産と見なされます。
3. 国外財産の非課税扱い
授受された財産が国外財産である場合、非永住者であるあなたに対してその財産について日本で贈与税は課税されません。
4. 送金手続きについて
金額が大きい場合、銀行や金融機関が税務署に報告する可能性があるため、一度に大金を送金する際は注意が必要です。しかし、生活費や教育費として使う特定の目的がある場合、非課税と認められる場合があります。このため、用途を明確にし、送金に際しては適切に説明できるよう準備することをお勧めします。
送金の目的と金額によって少しずつ送金するか、まとめて送金するかを決めることは重要です。それぞれの方法には特定のメリットとデメリットがあります。
1. 少しずつ送金する場合
- 目的
主に定期的な支出(例えば、毎月の生活費や学費)を支援する場合に有効です。この方法は、受取人に定期的な必要資金を提供し、資金の浪費を防ぐことができるため、管理がしやすくなります。
- 金額
少額ずつの送金の場合、例えば毎月送金するケースでは、大きな一括送金よりも税務上のリスクを軽減できることがあります。贈与税には年間非課税枠がありますので、その範囲内での送金を行うと無駄な税金を回避できます。
2. まとめて送金する場合
- 目的
大きな出費(例:不動産購入、長期間の留学費用など)が予想される場合、まとめて送金を行うことで、受取人が一度にまとまった資金を利用できるメリットがあります。突然の大きな出費に備えることができる点が利点です。
- 金額
大きな金額を一度に送金すると、手数料をトータルで抑えることができる場合があります。また一度にまとめて送ることで為替レートの変動リスクに一定の安定性を持たせることができます。
その結果、送金の計画は送金先の状況や法律・経済的な要因を十分に考慮する必要があります。たとえ適用免税制度があったとしても、継続的に大金を送ることは規制当局からの注意を引く可能性もあるため、特に法律面をしっかりと確認することが重要です。
本投稿は、2024年10月29日 23時43分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。