贈与の取消について
ここには様々な税理士さんがいますが、既に振り込まれた贈与について、
年内に返金すれば贈与税は課されない、課される、で意見が分かれている気がします。
実際はどっちなのでしょうか。
個人的には、法的に正しい方法で贈与をし直したり、結果親の資金に戻って相続税がかかるなら、全く問題無いような気がしますが…。
ネットで調べたところ、軽率に行われた贈与については全額戻せば課税しないという文章も出てきます。
使ってしまっても、なんとかお金を工面して年内に返金すれば良いということですか?
税理士の回答

菅原和望
こんにちは。
贈与の履行後、かつ、合意による贈与の取り消しは、原則として、受贈者に贈与税が課税されます。
ただし、次の5つの条件をすべて満たしている場合には贈与税は課税されませんので、ご自身の状況と照らし合わせて検討してみてください。
①贈与契約の取消し又は解除がその贈与に係る贈与税の法定申告期限までに行われ、かつ、その贈与に係る財産の名義を変更したこと等により確認できること
②贈与契約に係る財産が、受贈者によって処分されたり、担保物権その他の財産権の目的とされ又は差押えその他の処分の目的とされていないこと
③贈与契約に係る財産について、贈与者又は受贈者が譲渡所得又は非課税貯蓄等に関する所得税その他の租税の申告又は届出をしていないこと
④受贈者が贈与契約に係る財産の果実を収受していないこと、又は収受した果実を贈与者に引き渡していること
⑤税務署長が贈与税を課税することが著しく課税負担の公平を害すると認めること(税務調査の際に認定されることですので、確定申告の際に考慮する必要はありません
ご回答ありがとうございます。
1つ質問がございます。
例えば④で、贈与されたお金が口座に入っていたために振り込まれた利息(数百円)は、お金の返金時に追加で引渡ししなくてはならないということでしょうか。
また、これが確認されるのは、主に相続時でしょうか。
贈与しなおして、贈与税申告をする時でしょうか。
追加で申し訳ございません。
②贈与契約に係る財産が、受贈者によって処分されたり、担保物権その他の財産権の目的とされ又は差押えその他の処分の目的とされていないこと
こちらは簡単にいえば、贈与されたお金を使っていないこと、ということで良いでしょうか。
実は、相続時精算課税を使用して現金を贈与をすることになっていたのですが、贈与者の父が条件を間違え(1月1日の時点で59歳)、私は贈与税がかからないことを前提に贈与契約を結んだため、契約を解除したいのです。
正しく贈与されたものだと思っていましたので、数ヶ月の間、そこから家賃が引き落とされていました。
税務署にも確認し、全額返金すれば問題無いとの回答だったのですが、引き落としがされていたことはお話しておりませんでした。
もう既に返金したのですが、私の給料で積み立てていたNISAを売却して補填しました。
これは贈与の解除とならず、逆贈与となるのでしょうか。
すべて去年内のできごとです。
様々な弁護士さんのHPを見ましたが、様々な見解があります。
「1」又は「2」に該当しない場合においても、他人名義により不動産、船舶、自動車又は有価証券の取得、建築又は建造の登記、登録又は登載等をしたことが過誤に基づき、又は軽率にされたものであり、かつ、それが取得者等の年齢その他により確認できるときは、これらの財産に係る最初の贈与税の申告若しくは決定又は更正(これらの財産の価額がその計算の基礎に算入されている課税価格又は税額の更正を除く。)の日前にこれらの財産の名義を取得者等の名義とした場合に限り、これらの財産については、贈与がなかったものとして取り扱う。
自己の有していた不動産、船舶、自動車又は有価証券の名義を他の者の名義に名義変更の登記、登録又は登載をした場合において、それが過誤に基づき、又は軽率に行われた場合においても、また同様とする。
贈与契約が法定取消権又は法定解除権に基づいて取り消され、又は解除されその旨の申出があった場合においては、その取り消され、又は解除されたことが当該贈与に係る財産の名義を贈与者の名義に変更したことその他により確認された場合に限り、その贈与はなかったものとして取り扱う。
贈与税の申告又は決定若しくは更正の日後に当該贈与税に係る贈与契約が「8」に該当して取り消され又は解除されたときは、国税通則法(昭和37年法律第66号)第23条第2項の規定による更正の請求ができるのであるから留意する。(昭57直資2-177改正)
贈与契約の取消し、又は解除により当該贈与に係る財産の名義を贈与者の名義に名義変更した場合の当該名義変更については、「8」から「11」までにより当該贈与がなかったものとされるかどうかにかかわらず、贈与として取り扱わない。
本投稿は、2025年02月14日 22時36分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。