祖父が、わたしに終身保険を掛けていました。贈与はどの段階で成立しますか?
私の知らないところで、祖父から、10年満期の終身保険を掛けられていました。
最近になって、保険の途中経過の通知が届き、その事を知りました。
この場合、どの段階で贈与と見なされるのでしょうか?
満期の受取人は私になっており、数年後には1000万超を受けとるようです。私が死亡した場合の受取人は、父になっています。
またもう1つ、質問です。
過去、祖父からは、暦年贈与にて100万、また別に結婚祝いとして贈与された1000万を受け取っています。
1000万の方は、贈与税の手続きが必要と知らず、延滞してしまっているので、近々税務署で相談する予定です。
祖父はこのように、突然お金を渡してくるような人で、全く税の事などあてになりません。できれば税金を支払うことを知られたくありません。
私1人だけで、全ての手続きは済みますか?
現段階で、保険に関しても贈与が成立していると言われると、今延滞している税金に加えて、更に多量の税金の支払いが必要になるのではないかと不安です。
どなたかご教示頂ければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
税理士の回答

満期保険については、解約、或いは、満期受取時に贈与となりますね。
http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1755.htm
他、贈与税は6年で時効ですので、それ以前の贈与については申告しても税務署が受け取ってくれません。

満期保険金の受取により、贈与税の申告が必要となります。
ご質問者様一人で、祖父に知られることなく、手続き可能です。
1,000万円の贈与の税金は、231万円となります。
迅速かつ丁寧な回答、ありがとうございます。
現段階では、贈与とみなされないとの事、一先ず安心いたしました。
何より、現段階にて解約しても贈与とみなされると伺い、驚いております……相談して良かったです。
結婚祝いの1000万は、3年前の今頃に受け取ったものなので、まだ税の支払いが間に合うようで、それも安心いたしました。
可能であれば、先生に、更にご教示いただきたいのですが……
・手続き時、祖父の手を借りる必要はありますか。無かった場合でも、祖父に通知が行くことはあるのでしょうか。
・保険で満期時に受け取るお金を、住宅取得資金のための贈与として非課税制度を利用できますか。また相続時精算課税制度など、利用できるのでしょうか。
ご多忙中申し訳ありませんが、よろしければご教示いただけると幸いです。
富樫先生、ご回答ありがとうございました。
祖父の手は借りずに手続きできるとの事で、とてもホッとしております。金額まで教えていただき助かります、思ったより多額でなく安心しました。
早めに税務署へ行き、手続きしたいと思います。
可能でしたら、
保険満期時に受け取るお金に対して、住宅資金の非課税制度や、相続税精算課税制度など利用できるかどうか
についてもご回答いただけると幸いです。
ご多忙中申し訳ありませんが、よろしくお願い申し上げます。

通常、親族間では贈与の証明には贈与契約書を締結しますね。今回の場合は、珍しい事例で、通常は、孫のために名義預金しておく、これらは自分の死後、孫に相続させたい、といった意向がある場合に、贈与契約書によって、双方の意思を確認し、贈与が成立していることを確認するためのものとなります。
今回も、察するにまだ、費消されていないご様子ですので、ただ、預かっていた、として受け取る方が、合意していなければ贈与は成立していません。
ただ、名義預金になっているだけです。
贈与は贈与する側、受贈する側の合意で初めて効力を持ちますので。
であれば、今回は、単に、祖父の名義預金、と取り扱われる状態とも言えます。
或は、やはり受けよう。とするのであれば、贈与を受けたとすることも可能ですね。この場合、徒に高率、かつ、無申告加算税、延滞税等のペナルティを受け、申告される方はいませんので、贈与契約書は無くても、3年前、贈与を受けたとして申告することは可能です。

満期返戻金、あるいは、解約金について、住宅非課税贈与の適用は要件を充たしていれば受けることができます。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4508.htm

相続時精算課税制度は、一旦適用するとその後の110万の基礎控除も利用できなくなりますので、受けることは出来ますが、極めて不利な選択になりますので、避けるのが宜しいのかと存じます。

お返事ありがとうございます。
住宅資金贈与の特例は、要件に該当すれば、適用可能です。
相続時精算課税制度については、相続税の試算により、利用したほうが有利か、不利かの判断となります。
相田先生、富樫先生、無知な私に、こんなにも色々と丁寧に教えてくださって、本当に感謝しています。
祖父も、また両親も、贈与時の契約書が必要である事、むしろそもそも贈与税の支払いが必要という事も、あまり理解が無いです。
相談しても「知らない、放っておけばいい」の一点張りで、どうすれば良いか1人で悩んでいましたので、心から助かりました。
本筋の保険の話から逸れて、結婚祝いの話で恐縮ですが……
3年前に受け取った定期預金の通帳は、私の名義で、子どもの頃に作られていたものでした。これは名義貸しの状態と思うのです。
ですが受け取ってから、苗字や住所の変更、また最近満期になったので銀行に呼び出しを受け、解約→同行の私名義の口座へお金を移動など、私が1人ですべて実行してしまいました。
なので、これは贈与が成立していると言われる状況かと、すっかり思い込んでいました。
上記のような状態でも、贈与されていないと認められる状況にあるのでしょうか。
家族から「放っておけ」と言われたのですが、税の支払いが必要と知った今、そういう訳にはいかないと考え、贈与税の支払いをしようと思っていた次第です。
住宅資金として、この今持っている通帳のお金を使わせてもらえるのなら、それが1番良いように思えます。
もう一つ質問なのですが……
保険の方は、現段階で、満期時の保険金受取人の変更をすれば、贈与とは見なされないという事で大丈夫でしょうか?
無償でここまで質問させていただくことが、心苦しくありますが、もしもお時間ございましたら、ご教示いただけると幸いです。

まだ使っていないのですよね。であれば、戻しておけば良いのではないですか。ただ、その場合、祖父の相続の際には受け取ることは出来ません。法定相続人の方が遺産分割協議を経て、取得することになります。受け取るには、遺言書に記載してもらわないといけません。
使っていないのであれば、無申告加算等のペナルティを受けてまで贈与税申告する必要も無いですし、ご本人の意思としても贈与は成立していないのですから。また、口座に入れたとはいえ、使ってはいませんし。
ただ、今後は、注意が必要です。使っている口座に入れてしまえば、その分は費消しており、贈与を受けた意思があるのではないか、と捉えられる恐れがあるため、100%安全では無くなってしまってはいます。
ご家族の、放っておけ、というアドバイスが適切で、そのままにしておくのがベストでした。
一旦、移してしまったので、お金に色は無いのですがその分は私のものでは無いとして定期預金にでもするのもおかしいですし、祖父の口座に返金しておくのも一案です。
その上で、祖父から、結婚・子育て贈与の非課税の適用が出来ないか、
信託銀行に相談してみるのも一案です。
http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4511.htm
子育て、新居等の引っ越し費用等利用できますので。
祖父の口座からでは無いですが、丁寧に説明すれば適用できる余地はあると思います。ただ、信託銀行の担当者次第の面はあります。

名義は祖父に変えるのですか?趣旨は何でしょうか?
満期になった時、或いは解約の際に贈与税負担をして受領すれば良いと思うのですが。
ご家族の助言通り、放っておく、というのも祖父の意思を尊重することにもつながりますし、変更することに伴う影響等考慮せずに、目の前のことのみ対応するのは弊害が大きいのではないかと存じます。

贈与契約はお互いの合意により成立するため、子どもの頃ではなく、3年前が贈与の時期と思います。
それとも、贈与ではなく、一時的に預かった、借りたと主張できますか。
保険については、契約者(保険料の支払者)と受取人が同じであれば、所得税の一時所得となります。
>相田先生
何度もご返信いただき、本当に本当にありがとうございます。
銀行からの満期の通知を、読み違えたようです。10年経過したら定期は解約され、必ずその口座以外に移し替えなくてはならないと、勘違いしておりました。
放っておくことができたのですね、私の無知が原因でややこしい事になりました。祖父がもともと作った定期預金の口座は、もう解約してしまっています。
移動先の私の口座には、元金900万は定期預金・利息分は普通預金と、よく分からない振り分けをしてしまっています。でもとにかく、1銭たりとも使用していません。
その口座自体は、その他用途で利用していない口座なので、それは幸いだったかと思います。
この場合、同行でなくても祖父の名義の口座に、このお金を戻してしまえば良いという事ですよね。……となると祖父の協力が必要になるので、難しそうですが、もう一度相談してみます。
結婚子育てにも、非課税制度があるのですね。使える内容としては、子育てや新居への引っ越し等、色々ありそうです。知識をありがとうございます。
保険の名義を変えようとした理由は、これ以上受け取るのが申し訳ない、できるだけ家族に頼りたくないと思っているからです。
でも、先生の意見を読み、祖父の意思を尊重するという意味で、お金を受け取るのも大事な事なのかなと思えました。
その際は、保険の満期の時期までには住宅購入を目指しているので、非課税制度を利用して贈与を受ける手続きなど、したいと思います。
親身になって相談に乗ってくださって、本当にありがとうございます。
>富樫先生
何度もご返信いただき、本当にありがとうございます。
借りた、預かったと証明できる物は、残念ながらどこにもありません。
ただ、本当に使うつもりはありませんでした。お金も全く使用していません。これは、預かったと見なされる範疇でしょうか。
使う意思がなかったとしても、通帳を受け取った事=贈与と捉えられてしまいますか?
使う意思がなかったと証明できるものもないので、難しいでしょうか。。。
私の勘違いから、満期になったら絶対解約せねばならないと思い込んだため、現在は、祖父が作った私名義の口座は解約されています。同銀行の、自分で作った私名義の口座に、全額を移した状態になっています。
これもやはり贈与として、お金を受け取ったと思われてしまう可能性がありますでしょうか?
贈与と見なされた場合、祖父名義の口座に全額返したとしても、それがわたしから祖父への贈与となってしまうのですよね……?
どうすべきか分からなくなってきました。延滞や無申告加算を加えた贈与税を、今支払ってしまうのが筋というか、それが最善でしょうか。。。
保険については、祖父からお金をもらう事に抵抗があったので、お伺いしました。気持ちが楽になりました。教えてくださって、ありがとうございました。

お返事ありがとうございます。
他の回答の、何も使っていないから、ただ、預かっていたから、贈与ではないの理屈は通用しないと思います。
後はご自分で判断してください。

既に100%安全なところにはいません。
富樫さんより、より辛辣なスタンスの方が税務署の担当者になることもゼロでないとは限りません。
であれば最寄りの税理士の方を探して、実際の情報を基に、善後策を検討し、何か問い合わせがあれば、その税理士の方が最初に受けてくれる、といった対応が現実的かもしれませんね。
こういわれてしまうと、個人で実行するのは不安感、影響額も大きくなってしまいますので。
富樫先生、相田先生、ここまで何度もお応えいただき、ありがとうございました。
税務署の方の捉えようによっては、無申告加算で済まなくなる可能性もあるという事ですよね。1人で抱えるのは荷が重い事態になっている事が、よく分かりました。
無償にも関わらず、色々と考えて関わってくださった事、大変感謝しております。
主人にも相談して、まずは最寄りの税理士の先生を探す事にします。ありがとうございました。
本投稿は、2018年06月12日 15時41分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。