住宅資金贈与非課税枠の利用について
住宅資金贈与非課税枠を利用するためのお金の授受について質問です。
この度、4800万円の住宅を購入することになり、親からの非課税枠贈与(1200万円)を利用したいと考えていますが、利用のタイミングで悩んでいます。
今年の5月半ばに家を買う事が決まり、手付金480万円が必要だったので、借入の金銭消費貸借契約書を締結し、親から500万円を借りたのですが、その際、親は最終的に利用する予定の非課税贈与の1200万円を私の口座に一気に入金してしまいました。翌年の3月末に決済となるので、本来は500万円だけ借りて、翌年1月以降に非課税枠贈与1200万円を受け取り、うち500万円の借入を相殺しようと考えていましたが、決済の時まで不要な700万円が手元に残ってしまいました。このままだとただの700万円の贈与になるかと思います。
この場合、700万円を親の口座に振込み返金し、贈与をなかったことにし、翌年1月以降に贈与枠の1200万円を受け取ることは可能でしょうか。
どうかよろしくお願い致します。
税理士の回答

No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4508.htm
上記のサイトをご確認ください。
適用要件として、(8) 贈与を受けた年の翌年3月15日までにその家屋に居住すること又は同日後遅滞なくその家屋に居住することが確実であると見込まれること、が必要です。

迂遠ですが、いったん、返金するのもよろしいのかと存じます。金銭消費貸借契約書等作成し、来年になって、贈与契約書を締結すればよい、とも思えますが、将来、それが遡及作成されたのではないか、と言われても説明が難しい場合があるかもしれませんから。

親御さんから送金された1200万円について相談者様に贈与の認識がなく、あくまでも500万円の借用ということであれば、両者の間で贈与契約は成立しておりませんので、700万円について贈与税が課されることはないと考えます。500万円についての金銭消費貸借契約書を作成し、700万円は速やかに返済していただくのが宜しいと思います。
そして、来年3月の決済時に正式に贈与契約を結んで贈与していただくのが宜しいと考えます。
なお、贈与して頂く金銭は住宅の取得資金に充てて頂くことが非課税となる条件になります。
つまり、贈与していただいた金銭を親御さんからの借入金の返済に充当した場合には非課税とならず、その部分は贈与税が課されてしまいますのでご注意ください。
また、1200万円が非課税となるのは「省エネ等住宅」の場合です。「省エネ等住宅」でない場合の非課税額は700万円ですので、その点もご留意ください。
「省エネ等住宅」に関しては下記サイト(注4)をご参照ください。
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sozoku/pdf/jutaku27-310630.pdf
本投稿は、2018年06月17日 20時44分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。