海外の夫婦ジョイント口座から日本の妻の口座に送金する場合の贈与税について
私は米国駐在中10年目で、今年3月に家内が日本に本帰国しました。アメリカでは夫婦のジョイント口座を持っていましたが、このジョイント口座から口座残高の1/3の額(約2万ドル)を日本の家内の銀行口座に送金しようと思っています。用途は、日本に新たに開設した家内名義のネット証券での投資用(NISA等の株式)ですが、贈与税の対象になりますでしょうか?家内は米国では働いていませんでしたが、海外に来る前までは働いていました。本帰国後も働いています。二人で購入したマンション(共有名義)は賃貸していましたが今は家内が住んでいます。赴任する前には、マンションの繰上げ返済をするため、家内の貯金から200万円と私の口座から800万円を引き出して使用しています。したがって、赴任前に行なったマンションローンの繰上げ返済をする前の、家内の銀行残高の状態に戻すということでもあります。贈与税がかかるということであれば、米国にこのまま保管しておくということになります。
ご教示のほどよろしくお願いします。
税理士の回答

一般に、預金は出捐者(預金の原資を出した者)に帰属すると認定される。質問の件では、このジョイント口座の原資の3分の1以上を奥さんが出捐していれば、贈与税の対象とはならないが、奥さんが米国では無職で無収入であったことから、奥さんが出捐者ではないと認定される可能性が高く、この場合は贈与税の課税対象となる。もっとも、渡米前に奥さんが働いていたことから、渡米前の奥さんの私財が原資となっている可能性もある。結論としては、渡米前の奥さんの蓄財状況とその私財がこのジョイント口座の原資となっていることを証するエビデンスが存在すれば、贈与税の課税対象とはならないと思われる。なお、本件では送金額が100万円超であることから、国外送金調書が金融機関から所轄税務署長へ提出されるため、後日、お尋ね文書が奥さん宛に送付される。
土屋様、早速ご回答いただき、ありがとうございます。米国から送金はしない方がよさそうですね。
そこで、追加の質問なのですが、日本のマンションは共有名義となっており、持分は私8:家内2となっております。アメリカに在住していた間に当該マンションを賃貸していたため、賃貸収入が総額で約1500万円ほどあり、それを合わせて私名義の銀行口座残高が約1,000万円となっています。これを、8:2の持分比率に従って、200万円を家内の口座に振り込むことは問題となりますでしょうか?家内の老後資金のための投資を行なう予定です。ご回答いただければ幸甚です。

国税庁タックスアンサー(よくある税の質問)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1926.htm
「日本国内の会社に勤めている給与所得者が1年以上の予定で海外の支店などに転勤すると、一般的には、日本国内に住所を有しない者と推定され、所得税法上の非居住者となります。このように海外勤務等により非居住者となる人は、海外に出発する日までに既に一定の所得があるときや、海外に出発した後国内にある不動産の貸付けによる所得や国内にある資産の譲渡による所得などの、日本国内で生じた所得(以下「国内源泉所得」といいます。)があるときは、日本で確定申告が必要になる場合があります。」
ということで、質問の賃貸収入は非居住者の不動産所得による国内源泉所得であり、毎年の申告が必要ですが、現在のところ無申告のようなので、昨年分までの5年分の申告が必要です。所得の按分は共有持分と同様となります。なお、毎年の固定資産税等は必要経費として控除できます。
本投稿は、2018年10月22日 11時18分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。