土地売買について、贈与税が発生する場合計算の基礎はどうなるか
兄弟で共同所有している土地建物に現在住んでいます。兄弟から土地の売却を要求され、このまま住み続けるために私が兄弟から買い取りたいと思っています。
兄弟はその場合の価格設定を、固定資産税算定の評価額(21,000,000)に0.7を掛けた時価(30,000,000)として分割し、それ以下で私に譲ると贈与税が発生すると主張しています。私は過去の母や兄弟への支援を考えに入れて、せめて評価額の(21,000,000)円で分割した兄弟の持ち分を買い取りたいのですが、兄弟からの贈与税が発生するのでしょうか?税金の算定基準は評価額にあるのか、または兄弟のいうように時価の方にあるのか教えていただきたいのでよろしくお願いします。
税理士の回答
基本的に、不動産売買における税金の算定基準は時価ということになるかと思います。
しかし相続税法においては、著しく低い価額で財産の売買をした場合には、
「その売買価額と時価の『差額』は贈与により取得したもの」とみなすという規定があります(”低額譲渡”、相続税法7条)。
あまりにも安い金額で取引をしたのであれば贈与税がかかりますよ、という内容です。
問題はどのような場合に低額譲渡とみなされるかでしょう。
過去に実際の判例で、「路線価(時価の80%程度)の売買は低額譲渡ではない」と判断されたケースがあります。(東京地判平成19年8月23日(行ウ)第562号)。裁判判例ですので、これを一つの判断目安としても宜しいかと思います。
つまり、取引価格が時価をわずかでも下回ったからといって、ただちに贈与税が発生するということではないとも考えられるのです。
また時価の評価そのものに不安があるということでしたら、費用が掛かってはしまいますが
不動産鑑定士に評価を求め、時価に根拠づけをすることも選択肢の中にいれてみてはいかがでしょうか。
どのような水準なら贈与税が発生しないかと聞かれますと明確にお答えするのは難しいかもしれませんが、上記を参考にしていただければと思います。
ありがとうございます。兄弟との話し合いのための参考になりました。
ちなみに、贈与されたとみなされる金額は買い取り価格から手数料を引いた額と聞きましたが、手数料には何が含まれるのか、その他贈与税の計算上注意すべき点があったら教えていただきたいのですが、かさねてお手数ですがよろしくお願いします。
贈与税の申告においては、計上できる経費はございません。贈与として受け取ったとみなされる金額(時価と売買金額の差額)に対して課税になります。暦年110万円の基礎控除は受けられます。
補足ですが、贈与時の登記費用、不動産取得税などの費用は、受贈者様が将来に対象不動産を売却される際の譲渡所得計算時に取得費として計上できます。関連書類は保管されておくことをおすすめ致します。
丁寧なご回答ありがとうございます。参考にさせていただきます。
本投稿は、2019年06月13日 18時47分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。