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建物の売買契約は取り交わし済みで、名義変更を遅れて行う場合。

20年前に売買契約書を交わしていて、今年名義変更をする場合【売主=兄、買主=私】税金は発生しますか?
もし発生するとしたら、どのような税金が発生するのでしょうか?

売買契約書の内容は、残りの住宅ローンの金額=売買代金での契約です。

諸事情で(兄→私への)名義変更が今になりました。
民法上、登記は義務じゃなく不都合が生じるだけで問題はないみたいです。

税務上を教えて下さい。
宜しくお願い致します。

税理士の回答

不動産の譲渡の日は、原則として土地建物を引き渡した日ですが、売買契約の効力が発生した日とすることもできます。

ご質問のケースは親族間の取引のようですので、譲渡の日に関しては、契約内容、代金の決済状況(住宅ローンの引継ぎ状況)、土地建物の利用状況などを総合的に勘案した上での事実認定の問題になると思われます。
ちなみに、親族間の不動産の贈与に関しては、所有権の移転登記があった時に贈与が行われたと判断された裁決や裁判例がありますのでご留意ください。

なお、税務上の取り扱いとしては、譲渡の事実が認められ、売買価格が適正であった場合には、売主に譲渡所得に対する所得税・住民税がかかります。
物件の時価と売買価格とに乖離がある場合には、その差額に対して贈与税の問題が生じますのでご注意ください。

早々のご回答ありがとうございます。

1.売主に譲渡所得に対する所得税・住民税がかかるとのことですが…
譲渡所得金額の算出計算の「償却費相当額」の中に「経過年数」という項目があります。
この「経過年数」とは、20年前それとも今現在どちらの年数でしょうか?

また、長期譲渡所得・短期譲渡所得どちらの区分の該当しますか?
長期と短期では、税率が違うようなので…

2.物件の時価と売買価格とに乖離がある場合には、その差額に対して贈与税の問題が生じる…
とのことですが、売主に所得税、買主に贈与税、両方生じる事があるのでしょうか?

ご連絡ありがとうございます。
追加のご質問に関して回答いたします。

1. 償却費相当額の経過年数とは、その建物を取得した日から譲渡する日までの期間を指します。本件の場合、売主(兄)の取得日は登記簿謄本等で確認できると思いますが、譲渡の日がいつなのかが問題かと思います。20年前が譲渡の日であれば20年前の譲渡日までの期間になりますが、そもそも20年前に譲渡があったことが事実であれば譲渡所得に関する税金は既に時効を迎えていることになります。
一方、譲渡の日が名義変更した日と判断(認定)される場合には名義変更した日までの期間になります。
本件の場合は「譲渡の日」がいつと判断されるのかが重要と思われます。

また、長期と短期の判断も譲渡の日がどちらになるかによって異なります。売主が「取得した日」から「譲渡した日の属する年の1月1日」までの期間が5年を超えていれば長期譲渡、5年を超えていなければ短期譲渡になります。

2. 売主の所得税等は、譲渡価額と取得費との差額(値上がり益)に対して課税するものになります。一方の贈与税は物件の時価と売買価額との差額に対して課税するものになり、課税の主旨と課税対象が異なりますので、状況によっては両方生じることも考えられます。

紛らわしい質問をしたのに
親切•丁寧に教えて頂き
ありがとうございました。
大変お世話になりました。

本投稿は、2020年09月13日 13時40分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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