不動産の生前贈与
親から不動産(マンション)を生前贈与するにあたり、およそいくらの税金(贈与税)がかかるのか知りたいのですが、何から調べれば良いのでしょうか。また生前贈与にかかる税金で贈与税以外に何がありますか?
税理士の回答

贈与税の計算上は、その不動産の相続税評価額が課税価格になります。
マンションの贈与を受けることをご検討ということですが、それは賃貸マンションでしょうか?
それとも、自用の分譲マンションでその一室を貰い受けるということでしょうか?
不動産は自用か貸付ているのかで、評価額が変わります。
土地の評価の仕方は非常に複雑で、こちらで説明し切るのは難しいですので割愛します。
相続に強い税理士に評価の依頼をされることをお勧め致します。
建物の評価額は、自用の場合は固定資産税評価額と同額です。
貸家の場合は「固定資産税評価額×(1-0.3×賃貸割合)」で計算されます。
贈与税は累進課税制度となっおり、贈与額が多くなれば税率も高くなります。
国税庁HP: 贈与税の計算と税率(暦年課税)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4408.htm
不動産を贈与されるときは、贈与税のほか登録免許税と不動産取得税が課されます。
登録免許税は、固定資産税評価額の2%です。
不動産取得税は宅地の取得が令和6年3月31日までにされた
場合、
土地は固定資産税評価額×1/2×3%で計算されます。
建物は住宅であるとして、固定資産税評価額×3%です。
その年の贈与がその不動産のみで、賃貸用ではないという前提でお答えします。
① マンションの建物部分について固定資産税評価額を確認する。
↓
② マンションの敷地を路線価により評価し、所有持分を乗じる。
(マンションが路線価地域にないときは倍率方式で評価します。)
↓
③ ①と②の合計額を求めます。
↓
④ ③-110万円(相続時精算課税を選択している場合はこれと異なります。)
↓
⑤ ④の金額について、贈与税の税率を適用して税額を計算します。
⑥ 贈与税以外の税金は松井先生記載のとおりです。
参考:国税庁HPタックスアンサーNO.4408、4409
松井先生、加門先生、ご回答ありがとうございます。実家のマンションは自用分譲マンションです。
建物は固定資産税の納付書等をみれば良いですね。ちなみにマンション土地の「所有持分」は何で調べれば良いのでしょうか?ネットで調べたところ、マンションは路線価地域にはあるのはわかりました。

登記事項証明書に敷地権割合が記載されているはずです。
登記事項証明書は法務局で取得できます。
「かんたん証明書請求」でオンラインで取得することもできます。
登記事項証明書と併せて法務局で取得できる「公図」「地積測量図」「建物図面」も請求することをお勧め致します。
これらの資料も土地の評価に使用します。
分譲マンションは敷地権の及ぶ敷地全体を評価し、その評価額に敷地権割合を乗じた価額が課税される土地の金額(相続税評価額)になります。
分譲マンションでしたら敷地が大きく「地積規模の大きな宅地」に該当するかもしれませんね。下記のURLからご確認ください。
「地積規模の大きな宅地の評価」の適用要件チェックシート
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sozoku/pdf/chiseki_check.pdf
上記のほか路線価にその土地の形状等に応じた補正を行います。
国税庁HP: 土地家屋の評価
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4602.htm
本投稿は、2021年09月10日 12時52分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。