土地の生前相続と、相続後の土地の売却について
母(63歳)私(39歳)です。
家の価値はなし、土地の価値1200万程度
現在、母親名義の家(築40年程度)に私(息子)と嫁で住んでいます。
母は再婚し、別のところに住んでいます。
別の土地に、家を建てることを検討していまして住んでいる母名義の家を手放そうと考えています。
タイミングが分からないのですが、相続時精算課税制度を利用し名義変更を行い。
その後、居住用財産の3000万円特別控除を利用し売却しようと考えています。
居住用財産の3000万円特別控除を使用することは可能でしょうか?
また。そのときの所得税+住民税は、どうなるのでしょうか?
税理士の回答
成る程、母名義のまま売ったのでは、居住していない母には居住用財産の譲渡特例が受けられないため、居住している貴方がこの土地建物の贈与を受け、貴方名義で売ればこの特例が受けられるはず、というわけですね。
確かに形の上では、お考えのとおりということになります。
しかしこれは、譲渡特例を受ける手段として贈与特例を使うことになります。実は税務当局は、こうした技術的な節税手法を嫌います。したがってこれをストレートにやると、何かの理由をつける等により否認してくる可能性がかなり高い、とお考え下さい。
実はこれに類する節税手法があります。婚姻期間20年以上の夫婦間による居住用財産の2,000万円までの無税贈与の規定です。これを適用することにより、居住用財産を夫婦の共有にした上でこれを売却し、二人がそれぞれ3,000万円の譲渡特例を受けるという手法です。
もちろん税務署はこれを嫌っています。したがって実務的には、この贈与は売却の1年前ぐらいには実施しておくべき、とされています。つまり「贈与後すぐに売却」では、ほぼ間違いなく譲渡特例は否認されると認識すべきなのです。
したがってご相談の件もこれと同様に、売却は相続時精算課税制度による贈与を受けてから、1年程度経過してから行うべきと考えます。さらにいえば、「特例の贈与を受けたこととこの譲渡は、直接的には無関係」という説明ができるようにしておくといいようにも思います。
なおこの譲渡特例による3,000万円の特別控除を受ければ、課税される譲渡益はなくなりますから、お尋ねの「所得税+住民税」はゼロとなります。
本投稿は、2017年04月19日 18時28分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。