夫婦間での贈与税について
結婚5年目で、共働き夫婦です。生活費と預貯金を共通口座という事で、私名義の口座2つに互いが給料を振り込んでいます。旦那の年収が1000万、私が600万な為、旦那が振り込む額が多くなります。
億劫な性格の私たちは、数ヶ月分の振込を1回で振り込む事があります。1回額が200万を超えることもあります。
毎月15〜20万とボーナス全額は貯金額に当てています。
この口座移動は贈与税対象になりますか?
もし可能性があるならどのような対策がありますか?
初めての質問なため、分かりにくい文章ですみません。
税理士の回答
最近の若い夫婦では、共通口座が流行っているようですが、この共通口座の預金の帰属(預金が誰の物になるかということ)については、現在の預金名義人であるご主人の預金と認定されるのが一般的です。この場合、この預金口座に、妻が自分の給与収入から一部の金額を入金していたとしても、全体の金額がご主人の預金となると考えられています。この理由は、当初預金契約をしたのはご主人であり、当初の預入金のお金もご主人が出して、預金通帳の管理もご主人が行っていると考えらえるからです。また、一つの預金口座については、その後に複数の入金があったとしても、それぞれの入金額ごとに、お金を出した人の預金債権が成立するわけではないと考えられているからです(以上は裁判所の考え方です。税務の実務もこれに沿って考えています。)。つまり、預金については、お互いの共有財産になるという考え方がないからです(共有財産とならないので、お互いがそれぞれ入金した金額を所有しているということにはなりません。)。したがって、夫名義の預金に、妻の収入から入金された多額の金額については、税務署から妻から夫への贈与ではないかという指摘がされる可能性があるということです。このような指摘があったときに、この入金や資金の移動はもらったのか、借りたのかなど、どのような理由かを説明できないと贈与税がかかる可能性があるということです。このように、夫婦共通預金には、名義人と預金の所有者を巡って様々な問題が生じる可能性が大きいといえます(贈与の問題だけではなく、相続があったときなども誰の預金かが問題となります。)。ただし、このまま共通口座を使っていった場合に、質問者の方が、今後、具体的に問題が生じるのは、おそらく住宅を取得するときとなるでしょう。その際に、住宅の名義をどのようにするかという点が問題になりますので、必ず夫婦でお互いに拠出した金額(頭金+ローン)で持分登記をする必要があります。住宅取得の際に、頭金を夫名義の預金から出すことになりますので、税務署からは、お互いの拠出額と持分登記の割合とが一致しているかを確認される可能性があります。このときに、先に述べた預金そのものの帰属の問題は別として、今までのお互いの拠出額をきちっと説明できれば、後日贈与とか指摘される問題は生じないでしょう。したがって、後日、贈与であるとの指摘を受けないようにするためには、預金通帳の入金額ごとにどちらの拠出かメモをするか、パソコンで別にお互いの拠出額を分かるように表を作成しておくか、何らかの形で入金ごとにどちらのお金で入金したものかを明らかにしておくとよいでしょう(預金残高を各自の入金の累計額で按分した金額を各自の頭金としたというイメージです。)。なお、住宅取得した際に、住宅取得控除を受けるために確定申告する際には、いま述べた預金通帳の写しとか、パソコンの表を見せるとかコピーを添付する必要はありませんので、あくまでも税務署から指摘があったときに、説明ができるようにしておくというためです。以上のように、共通口座には、様々なリスクがありますので、できれば活用しない方が望ましいかと思います。
お返事ありがとうございました。共通口座にするリスク、そしてこのまま共通口座使用する時の注意点を教えていただきありがとうございました。参考にさせていただきます。
夫婦の得られた給与は、各々の財産であり、共通のお金として考えないという税務署の考え方も分かりました。
お互いの給与を共通のお金とするため、お互いが把握しやすくするために、夫婦にとっては共通口座ではあるが、名目上は夫婦別々の名義の口座を準備して対策します。
本投稿は、2021年12月04日 13時12分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。