収入がある場合の贈与税における生活費について
贈与税における生活費とついて相談があります。
ここでの質問を拝見したところ、贈与税における生活費について受け取ってる側に別に所得や貯金がある場合の扱いについて意見の差異が認められます。
1つはこの場合生活費としては認められないという意見ともう一つは生活費として貰ったお金を使っている以上は生活費として認められるという意見です。
この場合どちらが正しいのでしょうか?
社会人の場合でも生活費として足りない部分を仕送りで貰ったり、親と同居の場合生活費は親が負担することになるので自分の収入は貯金として残るなど色々な事例が考えられると思うのですが、これら全て生活費として認められないのでしょうか?
また収入があった場合に生活費として認められないなら共働きの夫婦は互いに生活費を融通出来なくなってしまいます。
税理士の回答

川村真吾
扶養親族への贈与で直接資産となるもの、扶養親族以外への贈与で間接的に資産となるもの(自分の収入は貯金として残る場合)は贈与となり、それ以外は生活費となると考えられます。
となると年収200万円の人が生活費を貰って(貰った生活費は日常的な生活費として費消される)、自分の収入は貯金に回している場合課税上どういう扱いになるのでしょうか?
収入がある場合生活費を貰えないとなると共働きの同居している夫婦は生活費を融通出来ないことになってしまいますが、同居か別居かで異なるでしょうか?

川村真吾
夫婦の場合は民法754条「夫婦間の贈与はいつでも取り消せる」ので税務署から言われたら取り消せばいいだけなので夫婦間とそれ以外は全く別物です。貴方の場合は親子間で扶養関係にないのであれば扶養関係にない=生活費を渡す義務はないので年110万を超えれば贈与税の対象になると考えられます。
親子間であれば自動的に扶養義務者になるのではないのですか?
また夫婦間で物をやり取りした時点でもう贈与は成立しているのではないのですか?
贈与税において扶養に入っていない家族は生活費を渡すことが出来ないのでしょうか?
税法上の扶養から外れている直系親族は扶養義務者にならないのでしょうか?
また十分な収入がある社会人が実家で生活している場合そこでの飲食や日用品の受け渡しは両親からの贈与として課税の対象なのでしょうか?

川村真吾
税の問題は税法上の扶養(所得48万以下)で考えればいいと思います。夫婦間でも贈与は成立しますがいつでも取り消せるということです。年110万以下であれば生活費を渡しても問題ないです。少額不追求の実務慣行もあって家族で飲食や日用品の授受をしても問題にはならないと思います。
調べたところ贈与税の生活費における扶養家族に入る要件は「三親等内の親族」だけで税法上の扶養よりも範囲が広いようなのですが本当なのでしょうか?

川村真吾
税法ではなくて民法ではないでしょうか。民法は2親等内の親族(裁判所の判決に拠っては3親等)に対する扶養義務を定めていますがその趣旨は生活に困窮する親族に対する扶養義務です。民法の趣旨と税法(所得48万以下)は整合性あるものと考えます。
贈与税における生活費の非課税対象の扶養義務者というのは三親等内の親族という理解で合っていますか?
税法上の扶養から外れた親族(収入が103万円以上ある同居中の妻)に対しても生活費を渡すことが出来るのでしょうか?

川村真吾
扶養義務者は夫婦及び直系血族、兄弟姉妹、家庭裁判所が審判により扶養義務者とした者です。相続税法21条の3の二 扶養義務者相互間において生活費又は教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち通常必要と認められるものは非課税なので通常必要と認められる生活費は非課税です。
となるとやはり税法上の扶養から外れている(収入が103万円を超えている)家族に生活費を渡しても大丈夫なのでしょうか?

川村真吾
夫婦かそれ以外かによって変わると思います。夫婦の場合は贈与税の問題が生じた場合は取り消して元に戻せば大丈夫だと思います。夫婦以外の場合は110万までは大丈夫と思います。
両親と子が同居していて子が社会人の場合はどうですか?
子が両親と同居しているため生活費は両親持ちの場合、子は収入があるにも関わらず生活費を貰っていることになります。
ただ両親と同居の場合自然と生活費は互いに負担し合うと思うのですがこの場合どういう扱いになるのでしょうか?

川村真吾
相続税法21-3-2の通りでいいと思います。
子が社会人で生活費を貰っている場合収入が生活費と見なされて課税されるのではないかという税理士さんの意見を見ました。
一人暮らしをしている社会人の子家賃を親が負担すると贈与税がかるという記述もありました。
一方で別の税理士法人のサイトには実家暮らしの社会人の生活費を親が負担していて子の給料がそのまま残っている場合贈与税はかからないという記述がありました。
これは子が実家暮らしか別居かで判断が分かれるということなのでしょうか?

川村真吾
「生活費は両親持ち」という表現をみてここでの生活費とは日々の食費や日用品のことだと思いました。日々の食費等か金銭授受かで判断が分かれると思います。あなたのいう生活費が金銭授受なら贈与になります。
本投稿は、2022年06月18日 19時31分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。