自己株式がある場合の持株割合の計算について
適格分割型分割において分割元会社の発行済株式数600株・自己株式115株・A株主340株・B株主145株とした場合、持株割合は発行済株式数の600株または自己株式を除く485株、どちらで計算するのでしょうか?
また、承継会社が発行する株式数は任意で決められるのでしょうか?
自己株式を除く場合、端数が出ないようにA株主340株・B株主145株の485株での発行が可能でしょうか?
もし端数が出た場合はどうするのでしょうか?
宜しくお願いいたします。
税理士の回答

大黒智陽
会社法上では、法人税法における分割型吸収分割を、吸収分割+剰余金の配当(会社法758条8項)の組み合わせとして整理されております。また、剰余金の配当を行う会社へ配当はできないため(会社法453条)、分割対価資産の交付は、A株主・B株主へ交付することとなります。つまり、485株で計算することとなります。
また、株式数については、一般的には移転事業の時価純資産額と分割承継法人全体の時価純資産額を評価した上で、その時価純資産額の合計額のうちに占める、移転事業の時価純資産額に見合った株式数を交付することになります。
端株が生じた場合には、A株主・B株主の端数を合計してその合計数に1株未満の端数がある場合にはそれが切り捨てられることになります。切り捨てた後に1株以上ある場合には、競売されるか裁判所の許可を得て任意売却され、売却代金をそれぞれの株主に対して生じた端数に応じて分配することとなります。端株が生じないようにしたい場合、事前に株式分割、株主間で株式譲渡といった手段が考えられます。
なお、適格分割型分割においては、株式のみの交付を受けた分割法人株主は譲渡損益・みなし配当を認識する必要はありませんが、1株に満たない端数に応じて金銭の交付を受けた分割法人株主は、株式譲渡損益を認識することになります。
大黒先生、丁寧に解説してくださりありがとうございます。
理解することができました。
黒岩先生ひとつ伺いたいのですが、適格単独新設分割の場合でも時価純資産額を評価したうえでの株式発行になるのでしょうか?
適格単独新設分割の場合は承継法人は新設なので、分割法人株主の持ち株数と同数の485株の発行しても問題が生じないと思うのですが?
再度の質問で申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

大黒智陽
適格単独新設分割の場合、ご認識の考えで差し支えないかと思います。
大黒先生、重ね重ねご丁寧に有難うございました。
本投稿は、2025年01月25日 09時07分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。