親から事業を買い取る場合
酪農業をしているのですが、事業継承ではなく親から事業を買い取りたいと考えています。
その場合売値、買値はどのように決まるのでしょうか?
親が売値を自由に決めてもよいのですか?
それとも決まりなどはあるのでしょうか?
税理士の回答

畑中達司
売値買値について税法上でも決まりはありません。
ただ親子間の場合、通常の取引での価格(市場価格)であれば良いのですが、その価格よりも上下していた場合は問題となる場合があります。それが「著しく低い価額」のときです。
詳しくは、国税庁HPのタックスアンサー№4423「著しく低い価額で譲り受けたとき」を参考にしてください。贈与になるときがあります。
その説明の中で「時価」について触れていますが、市場価格が分かればそれが良いですが、分からない場合は、土地は路線価方式か倍率方式などで評価し、建物などは固定資産税評価額でみることが多いようです。それ以外の設備とか乳牛などは帳簿価額で検討してみてはいかがでしょうか。
帳簿価額とは、乳牛の場合であれば、満2歳までの育成費用をプールした基礎金額をもとに、4年の耐用年数で減価償却していきます。その基礎金額から毎年の減価償却費の累計額を差引きしたものが帳簿価額となります。
ご相談内容とは外れますが、一切の事情が分からないうえであえてご説明しますが、ある程度の規模で農場経営をされている方であれば、「個人版事業承継税制」や「農地の納税猶予制度」を検討された方が、親子とも税金面での負担が少なくなると思います。
本投稿は、2021年03月24日 20時41分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。