自宅の相続税評価額について
自宅兼事業用貸付地
父名義の家(自宅)を1階部分、庭を保育園の施設として社会福祉法人様に貸しております。
私共は2階と一階の共用部を使用しております。
先日、父が亡くなり相続手続きを始めなければいけないのですが、この場合自宅は事業用宅地とみなされ相続評価額は下がるのでしょうか?
土地400平米 建物1階120平米 2階120平米となります。ご回答宜しくお願い致します
税理士の回答

ざっくりであれば、庭の部分と、建物の敷地の半分ほどが貸付用として50%評価。
2階に対応する部分が居住用で80%評価減となる余地がありますね。要件を充たしていれば。

社会福祉法人は株式の発行をしていないため、特定同族会社向けの貸付としての対象にはなりません。また、法人への貸付ですから事業用にも該当しません。
(3) 特定同族会社事業用宅地等
相続開始の直前から相続税の申告期限まで一定の法人の事業(貸付事業を除きます。以下同じです。)の用に供されていた宅地等で、次表の要件の全てに該当する被相続人の親族が相続又は遺贈により取得したものをいいます(一定の法人の事業の用に供されている部分で、次表に掲げる要件の全てに該当する被相続人の親族が相続又は遺贈により取得した持分の割合に応ずる部分に限られます。)。
なお、一定の法人とは、相続開始の直前において被相続人及び被相続人の親族等が法人の発行済株式の総数又は出資の総額の50%超を有している場合におけるその法人(相続税の申告期限において清算中の法人を除きます。)をいいます。
○ 特定同族会社事業用宅地等
区分
特例の適用要件
一定の法人の事業の用に供されていた宅地等
法人役員要件
相続税の申告期限においてその法人の役員(法人税法第2条第15号に規定する役員(清算人を除きます。)をいいます。)であること。
保有継続要件
その宅地等を相続税の申告期限まで有していること。

法人に賃料をとって貸していれば、直近に貸付を開始した、といった事情が無ければ、以下の要件を充たしているのかとは思います。
(4) 貸付事業用宅地等
相続開始の直前において被相続人等の貸付事業の用に供されていた宅地等で、次表の区分に応じ、それぞれに掲げる要件の全てに該当する被相続人の親族が相続又は遺贈により取得したものをいいます(次表の区分に応じ、それぞれに掲げる要件の全てに該当する部分で、それぞれの要件に該当する被相続人の親族が相続又は遺贈により取得した持分の割合に応ずる部分に限られます。)。
○ 貸付事業用宅地等の要件
区分
特例の適用要件
被相続人の貸付事業の用に供されていた宅地等
事業承継要件
その宅地等に係る被相続人の貸付事業を相続税の申告期限までに引き継ぎ、かつ、その申告期限までその貸付事業を行っていること。
保有継続要件
その宅地等を相続税の申告期限まで有していること。
被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族の貸付事業の用に供されていた宅地等
事業継続要件
相続開始の直前から相続税の申告期限まで、その宅地等に係る貸付事業を行っていること。
保有継続要件
その宅地等を相続税の申告期限まで有していること。

他、適用できる面積制限もあるため、居住用の部分をフルに利用し、貸付分を残り、利用するのか。
配偶者控除の160百万内の無税部分を利用するのか等の検討をされてもよろしいのかとは存じます。
http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4124.htm
ご回答有り難うございます。大変勉強になりました。参考にさせていただきます。

各種要件が入り乱れる事例となりますので、一旦、税理士の方に概況を説明し、選択肢、想定される税負担、税務上のリスク等整理していただいた上で、それを前提に、遺産分割協議に臨む、といったものが円滑に進むのかと思われます。相続人が一人であれば検討は不要で、申告時の選択をどうするかといった交通整理のみ税理士の方に相談されてもよろしいのかもしれません。
一度、税理士の方に詳しく現状を説明し、残された家族にとって最善の選択をしたいと思っております。
この度は誠に有り難うございました。
本投稿は、2018年07月28日 10時20分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。