建物贈与後の不動産所得とその後の相続税における小規模宅地の特例の適用について
所得税における不動産所得及び相続税における小規模宅地の特例の適用について質問させて下さい
状況
・母が3階建てのビルに居住しており、1階、2階をテナントとして貸し付けている
・このビルは土地、建物共に母の名義
・この度、母が特別養護老人ホームに入居する事となり、貸付事業の管理が出来なくなった
・そのため、相続時精算課税制度を利用して建物のみを子に贈与(建物の評価額は約500万円。土地の評価額は約5,000万円と高額なため贈与は行わない)
この状況において
質問1
贈与を行った後の不動産所得は全て子になるという認識で良いかどうか
質問2
その後、母が死亡しこの土地を子が相続した場合において小規模宅地の特例(貸付事業用50%)の適用は受けられるかどうか
なお、これについては贈与後3年以内か3年以上かによって適用が変わるかどうかもご教示下さい
なお、子はこのビルの3階部分に居住する予定はありません
もし空室のまま母が死亡し、仮に小規模宅地の特例が受けられるとしたら受けられる額は1階、2階、3階の床面積で按分といった計算になるのでしょうか
税理士の回答

贈与を受ける子と母は生計を一にしていないことを前提にお答えすればすれば、次のとおりです。
1.収入はすべて子ですが、土地が母のため、土地の賃借料を子が母に支払ってください。
支払いをしない場合や固定資産税相当額など低廉な賃借料しかし払わない場合は、使用貸借となり、この行為自体は容認されますが、相続時に小規模宅地等の特例が受けられなくなります。
一切の賃借料を支払わなければ、母の不動産所得はすべて子に移る感じですが、母が支払っている固定資産税は経費にできません。
賃借料を支払えば、子は不動産の収入から賃借料や減価償却費などを差し引いた額が子の不動産所得、母にも不動産所得がある状態になります。
土地の固定資産税のうち子に貸している部分は母の必要経費になります。
貸付事業用50%減の対象となるのは、1,2階部分で、床面積按分が原則です。
また、3階部分は老人ホームに入所後、一度も賃貸しないことを条件に居住用に該当しますから、いわゆる家なき子に該当する場合には、80%評価減が適用できます。
ご回答ありがとうございます
土地の賃借料と小規模宅地等の特例については大変参考になりました
本投稿は、2019年10月08日 10時12分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。