事業収入か雑収入の判断は売上ですか?
個人事業主で他に仕事をしており、新たにスタートアップで不動産業開業しました。
収入が上がらず1年で廃業しました。
税務調査の際、売上がないことを理由に雑収入になるとの見解をなされました。口頭で事業として行なっていたと説明しても売上300万円ないと難しいとの説明を受けました。
税務署に事業だと認めてもらうことは難しいでしょうか。
税理士の回答
税務署に事業だと認めてもらうことは難しいでしょうか。
難しいでしょう。
三嶋政美
売上金額だけを理由に「事業ではない」と一律に判断されるわけではありませんが、実務上は認定のハードルが高くなるのは事実です。
税務上、事業所得に該当するか否かは、売上規模ではなく「営利性・継続性・独立性・反復性」といった実態によって総合的に判断されます。不動産業として開業し、開業届の提出、宅建業免許の取得、事務所設置、広告活動等を行っていた事実があれば、形式上は事業としての外形は備えていたといえます。
しかし、短期間で廃業し、実際の売上がほぼ発生していない場合、税務調査では「事業としての実態が乏しい」と評価され、雑所得と判断されるケースは少なくありません。ご指摘の「売上300万円」という基準は法令上の要件ではありませんが、実務上の一つの目安として説明されることがあります。
事業として認めてもらうためには、開業時の事業計画、営業活動の記録、支出の内容や合理性など、事業性を裏付ける客観的資料を積み重ねて主張していく必要があります。一方で、既に廃業している場合は、判断を覆すことは難しいケースも多く、状況次第では修正に応じる判断も現実的な選択肢となります。
本投稿は、2025年11月29日 06時56分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







