配偶者手当を支給している企業に影響する「最低賃金の引き上げ」と「103万円の壁」 - 節税や実務に役立つ専門家が監修するハウツー - 税理士ドットコム

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配偶者手当を支給している企業に影響する「最低賃金の引き上げ」と「103万円の壁」

厚生労働省の中央最低賃金審議会は7月25日に、2017年度の最低賃金を全国平均で25円(3.0%)の引き上げで前年の823円から、848円とすることを決めました。3%以上の引き上げ率は2年連続になりました。

最低賃金引き上げの経済波及効果については大きな期待が寄せられていますが、一方でこの改定は、103万円以下で働こうとしている主婦にとって、年間約37時間の就業時間減少を生むことになります。

さらに平成30年から配偶者控除「103万円の壁」が大きく見直されることとなりました。私たち個人の給料に大きく影響するこの最低賃金引き上げと、配偶者控除の見直しから受ける影響について考えてみます。

目次

103万円の壁にこだわる理由TOP3

パート等で働く主婦の多くが「103万円の壁」によって、就業時間を調整しています。

稼げる時間をあえて減らしてまで103万円にこだわる理由は、厚生労働省が実施した「平成23年パートタイム労働者総合実態調査(複数回答)」によると大きく3つありました。

  1. 所得税を納めたくないから(63%)
  2. 配偶者の所得税計算上の配偶者控除が無くなるから(37.7%)
  3. 配偶者の会社の配偶者手当が貰えなくなるから(20.6%)

税金は稼いだ以上に納めることは無いということはあまり認識されていませんが、税金を払ってでも就業時間を増やした方が可処分所得は増えるのが日本の租税制度です。担税力の面からも、収入以上の税金を徴収することなど不可能です。

また、配偶者控除を受けられなくても、配偶者特別控除(配偶者の給与収入103万円~141万円で、38万円~3万円)により一気に税金が増えることはありません。

しかし、一方で企業が支給する配偶者手当は、収入がなければ得られるものが、頑張ったがために得られなくなるということで、「もったいない」という気持ちを生じさせるのでしょう。

【参考例】
所得税額 = (収入 - 所得控除) × 所得税率
配偶者控除38万円の税額影響額は、税率5%で19,000円
税率10%で38,000円となります。

配偶者控除は平成30年から年収150万円へ

配偶者控除を受ける条件は、今までは年収103万円以下であったのが、平成30年からは年収150万円以下へと改正されました。そして、今回の配偶者控除の改正を受けて配偶者特別控除も141万円から201万円へと見直されました。変更の注意点は以下の通りです。

  • 夫の収入が増えると配偶者控除の金額が減少する。
  • 妻は年収201万円まで配偶者控除が適用される。
  • 妻の収入に対する所得税や社会保険料は従来どおりである。

各企業の配偶者手当の支給制限

平成28年職種別民間給与実態調査によると、現在、76.8%の企業で家族手当制度があり、そのうち87.0%の企業では配偶者がその対象になっています。

その名称は家族手当、配偶者手当、扶養手当等さまざまです(以下「配偶者手当」)が、ほとんどの会社は、その支給について、配偶者の収入による制限を設けています。

その制限は大きく2つであり、配偶者手当のある会社の65.9%が103万円以下(配偶者控除の適用がある範囲)、29.5%が130万円以下(社会保険の扶養範囲)となっています。

前述した103万円の壁にこだわる理由にもありましたが、このような現状もパート等で働く主婦の就業時間の調整に影響してきました。しかし、新しい租税制度や最低賃金制度の導入を受けて、各企業も見直しをすることになると思われます。

各企業が検討すべき賃金制度のあり方

このような現状から、配偶者手当を支給している各企業には、賃金制度の見直しを考える時期になっているといえるでしょう。

厚生労働省からも以下のような「配偶者手当の在り方の検討に関し考慮すべき事項」が発表されています。

少子高齢化による労働者不足、女性活躍推進法、配偶者控除の廃止の検討など、男女が同じように働くことが求められてきています。「配偶者手当」の改定を検討することは、賃金制度全体を見直すチャンスです。

配偶者控除が創設されたのは、昭和36年であり半世紀も前になります。平成30年にはいよいよその内容が見直しされることとなりました。女性の社会進出も進み、社会情勢も大きく変わりつつある中で、今日では「配偶者控除」の廃止の検討もされています。

企業の「配偶者手当」を含む賃金制度は、簡単に改定できるものではありません。すべての従業員に関わる大きな問題です。そのため、1~2年かけて労使合意を得る必要がありますが、従業員のモチベーションを高め、優秀な人材の社外流出を防ぐ納得性の高い賃金制度にしていくことは、会社にとってプラスになります。

労働契約法などに留意し、最適な賃金制度のあり方を検討していくと良いでしょう。

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