売上計上漏れについて
当社3月決算の法人であり、昨年10月に行った取引について請求書を相手方に送付するのを失念しており、売上が漏れておりました。先日、取引先に電話したところ、昨年10月の取引について今頃請求されても支払いはできない旨の回答でした。
その場合、令和4年3月期は売上計上漏れで修正申告が必要となると思うのですが、令和5年3月期ではどのような処理が必要となるでしょうか?(令和4年3月期及び令和5年3月期の別表4及び5の記載方法について教えて下さい。)
税理士の回答

土師弘之
今後、10月分の売上を請求しないのであれば、売上そのものを請求していないのですから、売上高は発生していないと考えるのが妥当だと考えられます。よって、処理は不要です。
ただ、請求しなかった方に落ち度はあると思われますが、取引先は商品を受け取っているのですから、代金支払い義務は生じていると考えるのが普通だと思われます。
相手方が請求に応じて売上計上漏れで処理するのであれば、
《令和4年3月期》
別表四(加算) 売上計上漏れ
別表五(当期増)売掛金
《令和5年3月期》
別表四(減算) 前期売掛金回収
別表五(当期減)売掛金
役務提供が完了しているのに売上を認識しないのでしょうか?
先生のご指摘だと売上請求をしてはじめて売上として認識するということだと思うのですが、役務提供が完了した時点で債権債務が発生していると考えたのですが。。
つまり、以下のような仕訳がたつと思うのですが、どうでしょうか?
R4/3 売掛金/売上
R5/3 寄付金あるいは貸倒損失/売掛金

土師弘之
民法上・商法上の規定を厳密に適用すれば、おっしゃる通りの仕訳は当然立つものと考えられます。
役務の提供が完了していれば当然債権は発生しますが、相手方がそれを受け入れないと債務は発生しないと考えられます(代金支払請求を提訴するのであれば別ですが)。
売上を計上したところで、回収不能とは考えにくいので「貸倒損失」にはならないと思われますし、一方的な給付(寄付金)というより、無償のサービス(値引)となるのではないでしょうか。
したがって、相手方に請求しないと債権債務は発生しないと考えるのが自然だと思います。
債権債務は表裏一体の関係であり、債権が発生すれば、同時に債務は発生しませんか?
相手の受け入れの有無は、関係ないような気もしてしまうのですが。

土師弘之
「仕事をしたのであるから相手方に請求書を発行・送付して売上の請求をするのですか」ということです。請求漏れとして後日請求するのであれば、おっしゃる通りになります。
ただし、請求しないのであれば、売上がたつと同時に値引きがたちますので、結果的に何もしないのと同じです。
「貸倒れ」は請求はしたけど回収不能となった場合、
「寄付金」は相手方の求めもなく一方的に贈与した場合
です。
本投稿は、2022年10月25日 18時18分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。