健康診断費用を福利厚生費に計上する要件について
健康診断の費用についてお伺いしたいです。
法定の一般健診を従業員全員に受けてもらうのを前提として、「〇歳以上で勤続年数△年以上の者については、人間ドックの受診費用を会社負担とする」というルールを付け加えるアイディアが出ています。
〇歳未満の者、また〇歳以上で勤続年数△年未満の者については、個別に稟議を出してもらって決済が下りたら会社負担とする予定です。
(いずれも個人負担で人間ドックやオプションを+する分には個人の自由)
調べたところ年齢による受診区分の制限を設けても福利厚生費に計上するのは問題ないと出てきました。
が、勤続年数に関する制限はいかがでしょうか?
個人的な感覚では、「勤続年数で分けること自体は不公平ではないものの、稟議の結果次第で会社負担になる者とそうでない者が出るのは不公平=福利厚生費に計上できない?」と考えているのですが…。
勤続年数に関する法規などが出てこず、ご教示いただけますと幸いです。
繰り返しにはなりますが法定一般健診は会社負担で全員実施するうえ、個人の希望&個人負担で人間ドックを受診することを妨げる意図はございません。
税理士の回答

良い考えでしょう。
〇歳未満の者、また〇歳以上で勤続年数△年未満の者については、個別に稟議を出してもらって決済が下りたら会社負担とする予定です。
いいえ、これはまずいです。
必ず、負担しなければいけないと考えます。もちろん金額の上限はあるでしょうが、・・・それも規定に記載ください。

回答します
勤務年数などの制限を付けた場合、従業員間の公平が保てなくなるため、適切ではないと思われます。
仮に福利厚生費として計上したとしても検診を受けた人が給与課税される可能性があります。
一般的に、役員や特定な地位のある者だけを対象にするのではなく、一定の年齢以上の希望者すべてを対象とする人間ドックや健康診断の費用は、給与として課税しない経済的利益(福利厚生費)と考えられています。
雇用主としては従業員の健康管理は義務付けられておりますが、年齢によって病気となるリスクが異なりますので、年齢による健康診断の内容が異なる(若い人は簡易な健康診断、40歳以上は人間ドックなど)のは、普通であるもの、そこに勤務年数などの制限を付けるのは不公平となるため、健康診断を受けた人達に給与課税されるリスクが高くなるのではないでしょうか。
国税庁の個別照会における回答のなかにも
「一定年齢以上の希望者が全て検診を受けることができ、かつ、検診を受けた者の全ての費用を負担する場合は課税しない」との説明もあることから、勤続年数をルールに組み込むのはふさわしいとは考えられません。
国税庁HPから個別照会と回答を添付します。
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/gensen/03/03.htm
本投稿は、2022年11月08日 16時35分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。