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出張旅費(宿泊料)における定額給付と実費精算の併用の可否について

お世話になります。法人において経営をしております。
出張旅費 宿泊料に関して昨今の物価高や宿泊料金高騰により、出張旅費規程に修正をかけるべく検討を進めておりますが、お力添えいただけますでしょうか。

現状は定額給付としており、実費精算に比べ事務の手間も少なく定額給付を継続したい考えなのですが、当社の出張先は北海道の観光地の場合もあり時期によって大きく宿泊料が上下する状況にあります。

つきましてですが、宿泊料を定額支給と実費精算を併用して定めることは可能でしょうか。具体的に記載しますと出張旅費の定額給付額面を超えた場合には上限を設けて実費精算を選択することができる出張旅費規程です。

例:宿泊料 定額 9000円
  (上限14000円を上限として実費精算可能
   実費精算時には宿泊料の定額給付は行わない)

というものです。
記載しておりませんがん旅費規定には詳細を記載致します。
ご教授のほどよろしくお願いします。

税理士の回答

ご提示の例のように、宿泊料について定額支給と上限付きの実費精算を併用する規程を設けることは可能です。ただし、税務上の取り扱いについて注意すべき点があります。

税務上の取り扱い
出張旅費は、通常、所得税法上、非課税となるものとして取り扱われます。これは、出張が業務遂行上必要であり、かつ、その旅費が通常必要と認められる範囲内である場合に限られます(所得税法9条1項4号、所得税法施行令20条の2)。

ご質問のケースでは、定額支給部分と実費精算部分の合計額が、社会通念上相当と認められる範囲内であれば、全額が非課税として取り扱われると考えられます。しかし、実費精算の上限額が、出張の目的、出張先の状況、役職などを考慮して、明らかに高額すぎると判断される場合には、その超過部分については給与として課税される可能性があります。

出張旅費規程の整備
税務上のリスクを避けるためには、出張旅費規程において、以下の点を明確に定めることが重要です。

1. 定額支給額の算定根拠
定額支給額が、出張の実態を反映した合理的な金額であることを説明できるように、算定根拠を明確にしておくことが望ましいです。
2. 実費精算の条件
実費精算が認められるのは、どのような場合に限るのかを具体的に定める必要があります。例えば、「宿泊料金が定額支給額を超える場合で、かつ、以下のいずれかの条件を満たす場合に限る」といったように、具体的な条件を列挙します。
出張先が観光地であり、宿泊料金が高騰している時期である
業務の都合上、特定のホテルに宿泊する必要がある
その他、やむを得ない事情がある
3. 実費精算の上限額
実費精算の上限額は、出張の目的、出張先の状況、役職などを考慮して、社会通念上相当と認められる範囲内で定める必要があります。上限額の設定根拠も明確にしておくとよいでしょう。
4. 領収書の提出
実費精算を行う場合には、宿泊料金の領収書の提出を義務付ける必要があります。
5. 出張命令書との照合
出張命令書と宿泊の実態が一致していることを確認する必要があります。

その他
出張旅費規程は、税務署から提示を求められることがありますので、適切に作成・保管しておく必要があります。

細かな点までご示唆賜りましてありがとうございます。
役職等の妥当性は理解しておりましたが、
実費精算にする場合の条件・条件額・領収書の明示などにつきましては
想定しきれておりませんでした。参考にして旅費規程を改めさせていただきます。
この度は先生からのご助言誠にありがとうございます。

本投稿は、2025年02月12日 17時47分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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