火災保険金と修繕時期
4月決算の会社です。
決算ぎりぎりの4月中旬に賃貸している部屋で孤独死事案があり、火災保険の特約で保険が使えることになりました。
保険に対応する修繕費の支払いは保険請求の必要性から4月中に支払いましたが、工事は決算時点でまだ未着手のため、今期の決算では「前払い金」として資産計上となることは理解しています
一方保険金の確定通知はぎりぎり今期中にあったのですが、実際の入金は決算後の翌期首5月初旬に入金となりました。
<質問>
実際の保険入金及び修繕費の経費計上時期ともに「翌期」のため保険金も「翌期」の入金時の収入計上として差し支えないでしょうか?
※原則論としては保険の通知があった今期未収計上となることは理解はしています
税理士の回答

佐藤和樹
【結論】
保険金については原則として、決算期(=4月期)の収益計上が必要です。
→ 「保険金の支払が確定した通知を受けた時点」で、債権が確定するため、未収金として計上するのが原則です。
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【根拠・理由】
法人税法22条に基づく「発生主義」により、収益はその権利が確定した事業年度に計上する必要があります。
• 修繕費:まだ工事未着手のため「前払金」(資産)
• 保険金:支払通知が今期中にあり → 債権発生=収益認識のタイミング
よって:
• 修繕費は翌期に工事完了した時点で費用化(前払金→修繕費に振替)
• 保険金は今期に未収入金/雑収入などで計上
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【実務的な対応は?】
● 小規模法人や税務調整で対応する場合、実際の入金ベースで処理したい気持ちは理解されることもありますが、税務調査で否認リスクが残ります。
• 修繕完了後に保険金受け取る流れなら、保険金の受取が修繕義務の履行と連動していることを立証できれば、翌期計上の合理性を主張できる余地はあります
• ただし、保険会社から支払確定通知が来ている=債権成立の要件を満たすと見なされやすく、原則処理が求められます
先生ありがとうございます。
税理士先生のホームページ等で以下のような記載が散見されます
資産に損害保険が付されている場合において、災害等による損失を補てんする保険金が該当します。
原則はその支払を受けるべき事実が確定した日の属する事業年度の益金の額に算入されます。ただし、法人がその損害賠償金の額について実際に支払を受けた日の属する事業年度の益金の額に算入している場合にはこれも認められます。
記載内容からすると実際に入金日に収入とすることも認められそうにお見受けしますが、私の認識がちがうのでしょうか?
本投稿は、2025年05月13日 07時16分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。