役員社宅のエアコンや照明の購入、取付にかかる費用の経費化について
またガス台など生活に関わる家電について、こちらは経費計上できるのでしょうか。
またできるとしたら何の項目で計上するのでしょうか。
税理士の回答
【結論】
役員社宅に設置するエアコン・照明・ガス台などの購入・取付費用は、会社の経費として処理できる可能性があります。
ただ、そのまま経費にしてよいのかどうか、勘定科目の選び方や税務上の扱いに違いが出やすい部分です。ご心配になりやすい点かと思いますので、ポイントを整理しました。
【詳細】
● エアコンや照明について
・建物に組み込まれて使うもの(エアコン、埋め込み式の照明など)は「建物附属設備」として計上し、減価償却で少しずつ経費になります。
・取り外して持ち運びできるような照明器具は「器具備品」として処理するのが一般的です。
・金額が少額の場合(10万円未満など)は「消耗品費」でまとめて経費にすることもできます。中小企業向けの特例を使えば、30万円未満でも一括で経費にできるケースがあります。
● ガス台や生活家電(冷蔵庫・洗濯機など)について
・基本的には「器具備品」として資産計上し、減価償却で経費化します。
・ただし、会社が無償で役員に提供すると「経済的利益(給与)」とみなされて課税される可能性があります。
・一方で、ビルトインタイプのガスコンロやシステムキッチンの一部など、住宅に普通に備わっていると考えられる設備であれば、社宅の家賃に含まれるとみなされる場合もあります。
・「会社で買っても大丈夫かな?」と迷うときは、役員から適正な使用料を徴収しておくと安心です。
● 勘定科目の目安
・建物附属設備
・器具備品
・消耗品費(少額のもの)
【まとめ】
● 社宅の設備や家電は経費計上できる場合が多いですが、「建物と一体かどうか」「金額がいくらか」「役員に無償で提供していないか」で処理が変わってきます。
● 特に家電類は「給与扱い」にならないように、使用料を設定しておくと安心です。
● 少し複雑な部分ですが、考え方を押さえておけば怖がらずに対応できますので、ひとつひとつ整理していけば大丈夫です。

増井誠剛
生活に使用するガス台や家電類については、事業用として明確に使用している場合に限り経費算入が認められます。たとえば、飲食業で調理に直接用いるガス台や、事務所で実際に従業員が使用する冷蔵庫等であれば「消耗品費」や「器具備品」として計上可能です。購入金額が10万円未満であれば消耗品費、それ以上で耐用年数に応じた減価償却資産として「器具備品」に区分されます。ただし、事業と私生活で兼用する場合は按分計算が必要であり、私的利用分は経費に含められません。税務上は「事業専用か否か」「使用割合の合理的根拠」が重要となります。
本投稿は、2025年09月09日 00時29分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。