経費に算入できるか

① 結論
領収書の宛名がグループ会社でも、実際に支払ったのが個人事業で、個人事業のための支出であれば “個人事業の経費として計上可能” です。
宛名の誤りだけで否認されることはありません。ただし、そのままだと税務調査で疑われやすいため、補足書類を付けて根拠を整えることが必須です。

② 理由
税務で最重要なのは
「誰の事業のための支出か？」（実質判定）
であり、宛名の間違いそのものは“形式瑕疵”にすぎません。
したがって
実際に仕事のための旅費交通費である
個人事業がその費用負担をしている
グループ会社とは無関係の支出である
この3点が説明できれば、個人事業の経費で問題ありません。

③ ご提案
対応①：領収書に但し書きを追記
領収書の余白に「実費負担：個人事業主 ○○ による」と自筆メモを加える（相手の押印不要）。
対応②：簡単な説明書を添付
A4一枚メモなど：日付、行き先、個人事業の業務で使用した旨、グループ会社とは無関係である旨、料金を個人が負担した旨
これがあるだけで調査リスクは激減するかと思います。
対応③：個人事業の口座から支払った証跡
クレジット明細
銀行振込
現金なら出金伝票
など、“個人事業が支出した”記録を残す。

④ 税務で否認リスト（注意）
以下に該当すると否認されやすくなります。
グループ会社の仕事に関係する支出だった
同じような誤記宛名の領収書が大量にある
個人事業と会社のお金が混在している
支払い主体が曖昧（個人の支払か会社の支払か不明）
→ 形式ではなく、実質が混同していると否認される可能性が高まります。