事業主借 プライベート用の口座と分かれていない場合について
2020年4月に個人事業主として開業しました。
入金用口座①(事業専用の収入のみの口座)
出金用口座②(事業・プライベートの両方の支出がある口座)
の2つの口座を持っており、①と②の間で資金移動はしていません。
支出は「②からの引落」又は「事業主の個人現金から」のみになるのですが、
その際の仕訳方法は以下の通りで大丈夫でしょうか?
▼仕訳
(○○○費)✕✕✕円 (事業主借)✕✕✕円
このやり方ですと、現状の支出は全て事業主借として処理することになります。
また、②について、プライベートのお金の動きは帳簿に表記せず、事業用の支出のみ「事業主借」で帳簿に表記しようと考えております。
結果として、①の口座より支出がないので、①の預金残高と帳簿残高が合わなくなるかと思うのですが、それは問題ないでしょうか?
(そもそも事業に関する支出がある口座については、事業・プライベートに関わらず、全てを表記する必要があるのでしょうか?)
預金残高と帳簿残高を合わせた方が良いようでしたら、今からでも①の口座から②の口座へ事業支出分だけ資金移動することも考えています。
初めてのことでわからずご教授いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。
税理士の回答

①・事業主の個人の現金から必要経費を支払った場合は、おっしゃる通り、
(借方)消耗品費 ××× (貸方)事業主借 ×××
というような仕訳で問題ありませんが、
・出金用の預金口座②から引き落とされる経費については、
(借方)通信費 ××× (貸方)普通預金 ×××
などとして仕訳をする必要があります。
②青色申告の65万円控除で申告する場合には、事業に使用しているすべての預金口座について、帳簿残高は預金残高に合わせる必要があります。
したがって、出金用口座②でプライベートの支出をした場合には、
(借方)事業主貸 ××× (貸方)普通預金 ×××
という仕訳をする必要があります。
このような仕訳と上記①の下段の仕訳をしていくことで、出金用口座①の帳簿残高と預金残高を合わせていくことになります。
ご回答ありがとうございました。大変勉強になりました。
ご回答内容を踏まえ、追加でもう1点ご質問させていただきます。
事業に使用しているすべての預金口座について、帳簿残高は預金残高に合わせる必要がある時、
開業時の開始残高は、①②どちらの預金残高も起票しなければならないと思いますが、②の預金残高の仕訳は、以下の通りになるのでしょうか?
(借方)普通預金 ××× (貸方)元入金 ×××
②の口座については、事業用の支出があるものの、基本はプライベートの入金や支出が大半になります。
預金残高は元々事業用のお金として扱っている訳ではないのですが、元入金としてしまって良いのでしょうか?
お忙しいところ恐縮ですが、何卒よろしくお願いいたします。

①考え方としては上記の仕訳であっているのですが、青色決算書においては、「事業主借」残高と「事業主貸」残高をそのまま表示し、翌期首で「元入金」勘定に振り替えることとしており、「元入金」残高は期首と期末で一致させる必要があるため、開業時の預金残高の仕訳は以下のようになります。
(借方)普通預金 ××× (貸方)事業主借 ×××
②株式会社などの法人と異なり、個人事業主である以上、預金残高に生活費等のプライベート資金が混入するのは、むしろ当然のことと言ってよいので、プライベート資金を結果的の「元入金」に算入されてしまうことになるのはやむを得ないと考えます。
将来的には、入金用口座①ですべて事業関連の支出を行っていくようにすれば、帳簿から出金用口座②をはずすことは可能になるので、おっしゃるようなご懸念もなくなるとは思います。
ありがとうございました、大変勉強になりました。
おっしゃる通り、将来的にはプライベート用と事業用の口座を分けられるよう手続きを進めたいと思います。
お忙しいところありがとうございました。
本投稿は、2020年12月27日 14時23分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。